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さまざまなものに使用されているプロペラ。時には何かを冷やしたり時には巨大なヘリも飛行させる力を生み出すのですが、最近このプロペラが円が2つくっついたような新しいカタチが考案されました。この形状により騒音が抑えられるという特徴があるとしています。

これはマサチューセッツ工科大学リンカーン研究所が考案したプロペラで既に3Dプリンタを使用し超静音プロペラとして試験しているとのこと。

記事によるとこのプロペラはトロイダルというもので、上から見ると円が2つ重なって見えるのですが、よく見ると1対の普通のプロペラに逆方向に取り付けられたプロペラがくっつくようについているという構造です。


このようなドローン用のプロペラは「ウィーーーーーン」結構大きな音を出しており、この風切り音が赤ちゃんの泣き声と同じ周波数に収まり、しばしば「唸り声」と呼ばれ迷惑なノイズとして聞こえるといいます。

そこでマサチューセッツ工科大学の研究者は「飛行機が登場した1900年初頭から第二次世界大戦中まで様々な奇抜なプロペラや翼が作られ、その中にリング翼を採用したものがあった」といい「そこで、リングをプロペラにしてはどうか?」と思いついたといいます。

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結果、DJIが販売しているプロペラと開発したトロイダルのプロペラを調査したところ特に1~5 kHz 範囲における騒音を低減を実現できたとのこと。

そしてこのリング状のトロイダルは先端が存在しないことも優れているとしています。通常のプロペラは先端がとがっているため衝突した際に何かを切ったりすることがあるものの、トロイダルは先端が太く厚みがあるめた構造的な安全性も高いとしています。

欠点としては価格です。通常のプロペラに比べて製造コストは2~3倍になる可能性があるとしているものの、プロペラ自体は安価であるためそれほど価格に影響するようなものではないと主張しています。

マサチューセッツ工科大学はこのプロペラの特許を取得しているものの現在は商品化する予定はないとのこと。ただ、関心があれば今後対応するとしており、ライセンス供与する用意があると説明しています。

Toroidal propellers: A noise-killing game changer in air and water