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生活していると様々なものを我慢しなければならないことがありますが、みなさんはそれに勝つことができるでしょうか。今回はどのくらい我慢できるかチンパンジーと比較したところ、なんと人間が負けるという面白い結果が報告されました。

これはアメリカのミシガン大学の研究チームが行った研究でアフリカの保護区で生まれた野生のチンパンジー40頭を対象に調査が行われました。その調査は忍耐力などの実験です。

1月23日に米心理学会の学術誌に掲載された論文によると10代のチンパンジーと大人のチンパンジーを対象に「見返りの餌」を利用した2種類の実験を行いました。これはよく行われているもので、餌を入れた二つの箱を用意しどちらか選ばせるというものです。片方は好きなピーナツ、もう片方には大好物のバナナと嫌いなきゅうりが分からない形で入ったものがランダムに出るというものです。

つまり研究ではバナナを得るために「きゅうり」も入っている箱を選択をするのか、あえて2番目に好きなピーナツを確実に選択するのかという選択を強いられることになります。

その結果、10代のチンパンジーは大人のチンパンジーよりも『バナナかきゅうり』が入った箱を選択する傾向が強かったといいます。これは10代のチンパンジーのリスクをとる傾向が大人のチンパンジーも高いことがわかることになります。

一方で大人のチンパンジーは確実にピーナツが入った箱を選ぶケースが多かったといいます。ただ面白いことに、全てのチンパンジーは箱からきゅうりが出た場合はテーブルを蹴るなど過激な行動をとっていたといいます。


そして次はチンパンジーの忍耐力です。我慢できるのか調査されたものですが、「すぐにバナナ1切れを食べられるか、1分待てば3切れ食べられる状況」をつくり、チンパンジーはどれだけ我慢して多く獲る選択をするか調査しました。この研究も人間でも行われているものです。

結果は10代のチンパンジーと大人のチンパンジーはほぼ同じ割合で1分我慢し多くのバナナを選ぶ選択肢を選んだといいます。しかし、10代のチンパンジーは1分間に怒りの行動を見せるなど我慢に耐えている様子を見せたといいます。

実はこの結果については人間と比較した場合、特に若い人間の子供は我慢できずに小さな見返りを選択するケースが高いとしており、人間はチンパンジーよりも我慢できないことが分かったとしています。

記載はないのですが、背景に何があるのかは不明ですが「親」に理由がある可能性があります。私達人間は求められば更にもらえることを知っているためわざわざ我慢する必要がないことを幼いことから経験上得ている可能性があります。

チンパンジーの我慢強さは他の研究でもやはり同様の内容が報告されているとのことで、もし何か我慢しなければならないときが来た場合は是非「チンパンジーに負けない!」と心のなかでつぶやくと回避できるかもしれません。