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海外メディアによると、戦後1950年代に開発された60年代に配備された西ドイツの第2世代戦車レオパルト1をウクライナに輸出する許可をだしたと発表しました。しかしこちらの戦車、第二次世界大戦中に製造された戦車よりも場合よっては装甲が薄く人的被害が拡大する可能性があります。

ドイツ当局は2023年2月7日、レオパルド1 A5に関してドイツ、オランダ、デンマークの政府がモスボールとして保管していた少なくと100両を整備しウクライナ側へ輸出する計画を承認したと報じられています。

記事によると輸出許可が出されたのは178両としているものの、既に長期間運用されていない車両であるため再整備に時間がかかるとしており、夏までに20~25両をウクライナに渡すとしています。

共同声明によると「ロシアの侵略に抵抗しようとするウクライナの努力を支援するという継続的な決意を再確認する」「共同イニシアチブで、侵害された領土を回復するためのウクライナの軍事的可能性を大幅に強化します」とのこと。

改修された車両については2024年まで投入できるとしています。この計画は3カ国以外もベルギーなども関心を示しており、今後供給される車両も拡大する可能性があります。ただいずれの車両も既に使用されておらず供給の大部分は来年、2024年になるとしています。



レオパルト1は第二次世界大戦後、ドイツが初めて国産開発した戦車で1956年に開始、1964年に製造が始まり翌年配備されました。以降輸出に成功したことでデンマーク、ノルウェー、ベルギー、オランダ、イタリア、ギリシャ)はもとより、トルコ、ブラジル、カナダ、オーストラリアやチリ、レバノンに渡ります。

ドイツでは2003年にすべて退役。レオパルト1A5はA1,A2…と続く改良型で120mm砲を搭載するなど攻撃力が強化されました。改良された車両は1200両です。

攻撃力は現代戦車とそれほど大差はないと考えられるもののこの車両の致命的な欠点は装甲です。最も厚い主砲防盾(主砲の周辺の四角い部分)でもわずか100mm。車体は前面の被弾しやすい傾斜部分が70mmしかなく、現代の戦車砲や対戦車ミサイルからするとほぼ『紙』のような薄さでついていないのと変わらないレベルです。

対戦車ライフルや20mm砲などを防ぐには十分な量と考えられるのですが、ドローンなどの攻撃にも耐えられるのかギリギリだと思われます。戦車同士が打ち合うような第二次世界大戦中の戦闘になった場合は被弾すれば高確率で一発撃破されることは確実です。