image_135

豚などの家畜は基本的に地上に作られていますが、一方で中国では26階建てのビルに100万頭を飼育しているという世界的に見ても珍しい施設があるのはご存知でしょうか。

中国の中部に位置する湖北省。ここにはZhongxin Kaiwei Modern Farmingというビル名なのかよくわからない施設が存在しており、中央制御システムなどを備えた26階建ての施設内で人ではなく豚飼が飼育されているというものです。

800,000 平方メートルのスペースを持つ5億ドルの施設内には20,000頭の繁殖用豚も存在しいており年間60万~120万頭の豚を生産することができるとのこと。施設内の豚は生涯を通じて各階にとどまり空気システムを使用し、例えば病気の発生を抑えるため1つの階に封じ込むような設備も備わっているとしています。



豚の排泄物については再利用されバイオガスを作ることもしており農場内の発電や温水に使用されているとのこと。作業員についても入室許可を得る前には消毒と検査を複数回行う必要があり基本的に施設の外にでることもできないようになっています。ただし、週に1回外出できる機会が設けられれているとしています。

中国の2022年の豚肉生産量は前年比4.6%増加しており2014年以来の最高水準に達しています。中国の豚の数は2022年より0.7%増加し4億5,256万頭となっています。これがどのくらいの規模なのかというと2022年4月の時点における世界中で飼育されている豚の数が約7億8500万頭であり、中国がその半分以上を飼育しているという規模です。EUには約1億 4,000万頭、米国でも7,400万頭という規模で以下に中国で大量の豚が飼育されているのかがわかります。

なぜそこまで大量の豚が飼育されているのか。理由は料理です。中国における豚肉については、肉の中で最も人気のある食材であり様々な場面で出されます。そのため中国は世界の豚肉生産量の実に約半分を消費しています。しかし、2018年から2020年の間にアフリカ豚コレラ (ASF) が流行したことで1億頭の豚が死亡したり殺処分となっており、国内でも豚肉価格が高等したり入手できないという事態となりました。