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ビル・ゲイツのようにWindowsを開発した人物、民間で世界最大のロケットを保有し運用しているイーロン・マスク…彼らは共通してお金持ちですが、実はこのような超お金持ちも含めて頭の良さ(知性)は必ずしも高いとは限らないという研究が報告されています。

スウェーデンのリンシェーピング大学、イタリアのヨーロッパ大学研究所およびオランダのアムステルダム大学の国際研究チームによると、『収入の上位』つまり年収などお金を多く稼げる人は、知性が平均的な人より高い限らないらしく、特に収入の上位1%にいる人は認知能力テストのスコアはその下の層の方が逆に高くなっているとしています。

World's Wealthiest May Actually Be Less Intelligent Than Those Who Don't Earn As Much : ScienceAlert

具体的にどういうことなのかというと、研究者は「認知能力と賃金の関係は全体的に強い関係を示しているものの、年間6万ユーロ(64,407米ドル)というラインを越えると認知能力は標準偏差+1という控えめなレベルで頭打ちになることがわかった」と論文の中で示しています。

つまりここから「収入を多く獲得している上位1%の人は、そのすぐ下の所得層の人たちよりも認知能力がわずかに悪いスコアとして出ている」というものです。

優れた知性とその才能によって成功しより高いレベルの収入を得ることができる『実力主義社会』の中で生きているという標準的な物語を否定しているもので最も成功した人の場合、所得がどんどん上がっても知能は成功とは結びつかなくなるというデータになっているとしています。

なぜ上位1%の高収入の人は収入と知性の相関関係の壁を突き破ることができたのでしょうか。論文では高収入層になると知性以外の他の要因が絡んでいると指摘しており、その要因はその後の時間の経過とともに重要性を増してくるとしています。社会経済的な背景、文化、性格特性、運などを挙げています。

研究者によると「個人における初期の小さな成功の差が時間とともに相殺されることなく、極端な不平等を特徴とする『勝者総取り』の分布に成長します」と研究者は書いています。
記載している表現がよくわからないのですが、勝手に例えるならば若いうちに何かで成功することで、それがトリガーとなって爆発的に人気がでた結果、高収入になるというものと考えられます。この成功はいくら学年で1位と取ったとしても収入につながる『成功』とは結びつかないという理由になるものと思われます。

つまりビル・ゲイツで例えるならば、若いうちにプログラムという学校ではたぶん教えられないようなものに没頭した結果、現代社会を支えるWindowsを作り上げたという成功に結びついたというもののようです。

また、給与水準が高い場合、仕事の凄さは認知能力によって上昇するわけではないことも分かったと研究では示しています。例えば医師、弁護士、教授などの職業は高い知性が必須ですが上位1%に入るような収入があるとは言えないとしています。

論文では超富裕層がより豊かになり世界の政治、社会、経済情勢に大きな影響力を持ち続けている世界において重要なことだと指摘しており、超富裕層は必ずしもその場(社会)で最も賢い人であるとは限らず、並外れた賃金を得る最高の仕事をする人がその賃金の半分しか得ていない人々よりも価値があるという証拠を見つけることができなかった」と記載されています。



ちなみにイーロン・マスク氏によると起業で成功したい場合は「週に100時間働けば、誰でも世界トップレベルになれる」といい『努力』次第だと説いています。「1つ目は、もし成功したいなら、特に起業したいと思っているようであれば、ものすごい努力をしなければなりません。ものすごい努力、とはどういう意味か?
私が弟と一緒に最初の会社を始めたとき、ちゃんとした場所を借用するかわりに、ちいさなオフィスを借りて毎日ソファで寝て生活をしました。シャワーはYMCAで済ませていました」

「50時間働くだれかと100時間働くあなたとでは、もちろんあなたはそのだれかの2倍も仕事を終わらせることができるのです。(週100時間働くということは、平日は朝9時から深夜の1時まで。土日は、10時間づつ働くとこの計算になります。)」