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最近ニュースで話題になっているアメリカ本土上空、つまり領空を無許可で侵犯した中国の巨大気球。これをF-22の性能をもって撃墜することができたのですが、そもそもこのような気球は国際法ではどのような扱いに鳴っているのでしょうか?

The Conversationという研究内容を報じているニュースサイトによると、まず今回中国が飛ばした気球に関して、国際法に照らし合わせると違法になるだろうと主張しています。

これらの気球を他国の空域で使用することに関しては国際法は明確だと指摘しており、どの国も、自国の領土から12海里 (約22キロメートル) にわたる水域に対する完全な主権と管理権を持っています。同様にすべての国は国際条約の下で「その領土の上の空域に対する完全かつ排他的な主権」を持っています。これは各国が民間航空機と政府航空機の両方を含む自国の空域へのすべてのアクセスを管理していることを意味します。

ただし、この領空の高度の上限については主権空域の上限は国際法で定められていないという問題があります。実際には一般に、民間航空機および軍用航空機が動作する最大高度である約 45,000 フィート (約 13.7 km) までという考えもあるのですが、超音速コンコルドは高度 60,000 フィート (18 km 以上) で飛行しており、今回の中国の気球も60,000 フィートの距離で動作していると報告されました。

つまり現代における上空の国際法の適応範囲は、伝統的に宇宙法の領域内にあると見なされている衛星が動作する距離には適用されていません。

わかりやすくいうと、アメリカ(軍)における宇宙の定義は高度80km、国際的には100km以上を宇宙と定義しており、領空の高さは目安として高度100km以内、100km以上は領空ではないということになります。

また記事によると1944年の国際民間航空に関するシカゴ条約などでは国の空域に入る許可を求めることを可能にする国際的な法的枠組みというものが存在します。国際民間航空機関は『熱気球』を含む空域へのアクセスに関する追加のルールを設定しているものの軍事活動は規制されていないとのこと。これは『国際民間航空に関する条約』であるためと考えられます。

これとは別に米国にも冷戦の遺産である独自の「防空識別圏」が存在しています。米国空域に入るすべての航空機はその身元を提示する必要があります。カナダには独自の補完ゾーンもあります。冷戦の緊張が最高潮に達したとき米国は特に北極での米国空域への無許可のソ連の侵入に対応して、定期的に戦闘機をスクランブルしており、今も行われています。

記載はされていないものの、防空識別圏は国際法では何の制約もない独自のルールという認識で、この圏内に侵入した他国の戦闘機などにスクランブルをかけ、戦闘機は他国の機体を一定のきょりをあけて行動を見るということが今も普通に行われています。しかしロシアや中国になると異常接近し敵対的な態度を示すこともあります。

記事では、これらの明確な国際規則を考えると米国は中国の気球への対応において非常に確固たる法的基盤を持っているといい、今回の『上空』飛行は、明らかに米国側の許可がなければ認められないと指摘しています。


記載内容は以上ですが、今回の気球について中国側は「自国のもの」と認める発言をしているのですが「民間機だ」主張しています。ここが非常に重要です。中国側は今回明確に民間機だ発表したことで、大陸間飛行を成功させた記録的な気球を企業側が成果として発表してもおかしくないはずです。どこの企業が何の目的で、どのようなペイロードを搭載し、どの飛行ルートを設定したのか何故か一つも発表しないかという疑問があります。

当然民間機であれば自らあれば名乗り出て通過する国々に許可を得れば良いだけの話であって申請を全くしていない時点で敵対的行為かつ領空侵犯という国際法違反となります。

要するに民間機というのは完全な嘘であって隠さなければならない目標達成のために運用していたことは明白です。