新しい惑星が見つかれば現在の天文学どころか、教科書が変わるレベルの大発見になるため、研究者としらが積極的に探査を行っています。しかし、存在が噂され始めて、かかなり確証の高いシミュレーション結果が出されているにもかかわらず何年も見つかっていません。

なぜ第9惑星は見つからないのか。理由は距離です。
例えば公園に街灯が1つあったとしてその街灯の近くにあるのは水星、金星、地球、火星です。特に金星や火星は私達人間の目からでもはっきり観測できます。しかし、遠く離れるにつれ反射する光の量が相対的に減っていくため地球に側に届く光の量が減るという物理的な問題があります。

では第9惑星はどのくらい離れているのか。太陽と地球の平均距離は1AU(天文単位)というスケールがあるのですが、最遠の海王星が30AUつまり30倍ほど離れたところにあります。この第9惑星については推定で400～800AUほど遠くの楕円軌道で公転しているとされ、ほとんど太陽の光を反射することはありません。したがって可視光などの光学望遠鏡ではほぼ観測ができないという問題があります。

▼第9惑星の目安(中央)。右は海王星

熱で探すしかない？

可視光での観測はほぼ絶望的とされるなか熱で探す方が有効ではなかとするのは今回の論文を発表した香港教育大学の天文学者マン・ホー・チャン氏です。彼による太陽系の殆どの惑星は衛星を従えており、第9惑星も衛星を持っている可能性が高いと考えています。

But Wait: What if The Hypothetical Planet Nine Has Moons? : ScienceAlert

このような惑星と衛星は重力で内部をモミモミしあってる関係で熱を帯びているかことがあり、第9惑星の衛星が主星からの潮汐効果で観測可能なレベルの熱を生じさせている可能性が考えられるとしています。
結論として。チャン氏は「第9惑星がある程度大きい衛星を持っていれば、衛星が発する潜在的な熱信号を直接観測することができます」と結論づけています。

発見されるか？第9惑星

第9惑星に関しては海王星の外側の小惑星を発見していたところ、共通して同じ向きに楕円軌道を描くなど不思議な軌道をしていたことから、未知の天体が公転している可能性が指摘されました。

▼不自然に共通する小惑星・準惑星の軌道。反対側に第9惑星が公転しているとされる


第9惑星は推定で地球質量の5～10倍と考えられ質量も26,000～52,000kmもあるというある程度大きい惑星と見積もられてます。
しかしあまりに見つからないことから「超小型ブラックホールではないか」というよくわからない話もでており、仮にそうであれば地球の5倍質量のブラックホールとすると直径はわずか9センチほどしかなく探し出すことは不可能です。

いずれにしてもこの惑星はほぼ間違いなく存在しているとされており、各国の研究者が世紀の大発見に向けて今も観測を続けています。