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新型コロナについて世界では既に普通の風邪として扱われ、日本でもそれに近い扱いが今年中にもされるのですが、英国の研究機関によると長期間新型コロナの症状が続いた人に関して感染してから1年後も臓器の損傷が見られると発表しています。

これは中国の国立呼吸器内科センターなどが行った調査で明らかになったもので、新型コロナに感染してその症状が12週間ほど続く『長期コロナ』が発生した場合、心臓やその他の臓器の機能不全のリスクが明らかになったというものです。

Three in five long COVID patients have organ damage a year after infection
https://theconversation.com/three-in-five-long-covid-patients-have-organ-damage-a-year-after-infection-200013

1-year outcomes in hospital survivors with COVID-19: a longitudinal cohort study - The Lancet
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01755-4/fulltext#%20

被験者は2020年から2021年にかけて、最初の感染から6か月後に検査したもので、長期新型コロナの症状がでた患者536人を対象に心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓に焦点を当て症状を記録しました。検査は40分間の多臓器MRI スキャンです。
被験者は約13%が入院しており、全体の2%が当時1回以上のワクチンを接種していました。

結果、536人中331人の参加者 (62%) が半年の時点で臓器損傷が認められることが分かったとしています。肝臓、膵臓、心臓、腎臓の障害が最も一般的でそれぞれ 29%、20%、19%、15% に問題があったとしています。これらの 331 人の参加者はさらに6か月後に追加のMRI スキャンで追跡調査されました。

結果としては参加者全体から見ると5人に3人(59%) が感染から1年は少なくとも1つの臓器に障害があったといい、4人に1人強 (27%) では2つ以上の臓器に障害を持っていたことがわかりました。そのため、6 か月で臓器損傷を受けた大多数の参加者はその後、少なくとも1年後も損傷したままだったということです。

一部のケースでは臓器損傷のある参加者は治癒していたものの大半の臓器障害が1年後も持続し症状と機能低下が高いことに関連していたとしています。

長期コロナ感染、どのように発生?

今回の研究はあくまで12週間も新型コロナの症状がでるというかなり特殊な人を対象にしているもので大半の感染者とは異なります。またワクチンが本格的に流通する前であり現在のように2回以上ワクチン接種をした人が同じような状況になった場合、臓器の機能不全が長期間残るのかはよく分かっていません。

また長期コロナ感染を経験した人の健康状態も不明です。言い換えれば元々持病を持っており臓器機能が低下した状態から感染したことで悪化し損傷状態として数値や画像データで明らかになっている可能性もあります。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。