600mm放射砲_2

最近、北朝鮮から度々発射されるのは放射砲と主張している兵器です。これは大型のロケット弾は短距離弾道ミサイルよりも大型である場合があるのですが、北朝鮮が主張するように核兵器は搭載可能なのでしょうか?韓国メディアの報道を紹介します。

北朝鮮は2022年12月31日に600mm超大型放射砲の贈呈式として党中央委員会の本部庁舎の前で開催しました。この兵器はアメリカではKN-25と名付けられています。
この式典では装輪車両つまりトラックのようなタイヤを搭載した車両が並べられ、式典では30両が部隊に納入されたと発表されたそうです。ちなみにこの車両には1両あたり6発の放射砲を搭載しています。



この兵器が短距離弾道ミサイルと違うのは発射角度と考えられます。通常弾道ミサイルは垂直に発射されるものの放射砲は一般的なロケット砲と同じように斜めに打ち上げます。過去の発射試験では飛翔距離は350km、高度は100kmに到達しており宇宙空間を飛行していることになり実質弾道ミサイルと同じような感じになります。



問題はこの兵器に北朝鮮が主張するように戦術核、小型の核兵器を搭載できるのかという点です。KBSニュースによると専門家の取材として「核弾頭の搭載は難しいのではないか」としています。そのためには「小型核弾頭を配備するために追加の核実験が必要だ」と主張しています。

600mm放射砲_1

一方で核弾頭を載せ無くても通常弾頭や化学兵器を搭載することは既に可能であり、その威力から600mm放射砲は韓国・米軍基地をターゲットにしていることは間違いなく核を使わなくても直接的な脅威となると指摘しています。

600mm放射砲の飛翔体については高度100kmからの落下する途中で進路を変更することができるなど迎撃を困難にしている可能性があるとされています。そのため落下した場合は基地にある格納庫などが防ぐことになるものの「ある程度防げる」程度で完全な防御はできないという趣旨の意味合いとなっています。

600mm放射砲

600mm放射砲については韓国の多くの地域が射程内となっており、韓国側としては弾道ミサイルというよりもこのようなロケット砲が驚異です。またソウルについてはさらに迎撃が困難になる榴弾砲の射程圏内にあるため、仮に戦争となれば通常兵器が大量に打ち込まれるということになります。