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これから温かくなると海に出かける機会もあると思いますが、海外で行われた研究によるととあるビーチで採取された波しぶきのサンプルから都市の下水由来のバクテリアが多く含まれていたことが分かったとしています。

アメリカ化学会で公開された論文によると、今回はあくまでサンディエゴのインペリアル ビーチで採取されたサンプルを分析した結果として、確認されたバクテリアの76%が川、元を辿れば都市から流れ出た下水が由来の可能性があると発表しました。

The Refreshing Spray of the Ocean Is Loaded With Sewage Bacteria, Scientists Find
https://futurism.com/the-byte/ocean-spray-sewage-bacteria
Bacterial and Chemical Evidence of Coastal Water Pollution from the Tijuana River in Sea Spray Aerosol | Environmental Science & Technology
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.2c02312

なぜこのようなことが発生するのか。もちろん地域によって度合いは異なるのですが、何百万ガロンもの未処理の下水が雨水とともに川に流出し海にそしてその周囲の浜辺を頻繁に汚染するとしており、下水関連細菌が沿岸水域に流れ込み海洋エアロゾルとなり風の流れとともに陸地に戻ることがあるとのこと。
研究ではこれによる健康被害が発生している可能性があるとしています。

空気中に浮遊する海洋細菌についてはすでに一般的な研究結果が存在するものの、この研究は最近が下水源と関連性を確立した初めてのものとなりました。カリフォルニア大学サンディエゴ校教授で論文の共同執筆者であるロバート・ナイト氏は「空気中の微生物のうちどれだけのものが下水までさかのぼれるかを見つけたものの非常にショックだった」と語っています。

具体的にどのような細菌が含まれていたのかについてはアシドボラックス、人間の大便には1gあたり100億から1000億匹存在するバクテロイデス属フラボバクテリウム属コマモナス属、Macellibacteroides属、潜在的に病原性の属であるAcinetobacter、Aeromonas、およびArcobacterだったとしています。

また発見された化学物質についても人為起源の化合物であり難燃剤、塗料、溶剤、可塑剤、洗浄剤、パーソナルケア製品、および既知の刺激物や一般的な環境汚染物質、そしてカフェインやビタミン K2など明らかに人間由来のものが発見されました。