この特殊な弾頭はMUTANT、Missile Utility Transformation via Articulated Nose Technologyと呼ばれているもので、簡単に説明すると見出しでも紹介した用に最終段階で敵機の方に先端を折り曲げることで効果的に敵機にダメージを与えたいというものです。

USAF Testing 'Mutant' Missiles That Twist In Mid-Air To Hit Their Targets

アメリカ空軍にようるとこの研究は6年前から始まっているといい、このコンセプト自体は1950年代からあったらしく、当時は難しかった技術や実験結果などを利用した上で研究を進めているといいます。


より効果的なミサイルは戦闘機などに搭載可能な制限された重量の中でより遠くの距離を機動性 (G 能力)、および敏捷性 (機体の応答性) の全てを持つことが求められるといい、昨今はミサイル制御作動システム (CAS) を得ようとデュアルカナードやフィンを利用することでミサイルの全体的な性能を高めています。

要するにこれまでは翼や高効率の燃料などを用いることで撃墜率を高めるということを行ってきたというものです。しかし弾頭部分をポッキリ折れ曲がる構造を採用することでミサイルの根本的な問題だった撃墜率を高めることができるとしています。

特に一般的なミサイルであればターゲットを狙う過程で翼などを動かしミサイルの弾頭をターゲットに向ける必要があります。しかし、MUTANTではミサイルの前部を物理的に動かすだけで「事実上の進路修正」を達成できるため、とりあえず敵の方向に飛翔さえできればある程度誤差が生じても弾頭を動かして命中させることができるという考え方のようです。

また、弾頭が動くことで誘導に必要なシーカーなど敵をロックオンする機能も有効に働かせることができるとしています。米空軍としては既にある程度開発は進んでおり2024年度までに地上での試験を実施したいとしています