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みなさんのご両親、もちろんご自身も若い時に比べて新しい歌に興味が出なくなるという経験はないでしょうか?実は多くの人が年を重ねるごとにその傾向がでてくるのですが、いったいどのような理由が隠されているのでしょうか。

オーストラリア・カトリック大学の音楽教授で研究以外も作曲なども行っているティモシー・マッケンリー氏によると、まず現在デジタル化が進んだことで昔に比べると音楽へのアクセスは容易である一方で、昔から知られているように新しい音楽やなじみのない音楽を探求する意欲は年齢とともに低下することが既に分かっているといいます。

Why Do We Stop Exploring New Music as We Get Older? - Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/music-aging-22716/

学者の間では人間が新しい音楽を探究する意欲を直訳で「耳を傾ける」という言葉を仕様しているのですが、私たちの人生を通して意欲が満ちたり衰えたりするとのこと。

具体的には11歳頃(つまり小学5年生)までは一般的になじみのない音楽でも喜んで取り組んでいます。思春期の初期には減少するものの一般的には音楽への関心が大幅に高まります。つまりみなさんが音楽を購入するような年齢が思春期頃ということになります。そして、若い成人期に向かってわずかに増加していくものの年齢とともに低下します。

 250,000人以上の参加者が参加した2013 年の主要な研究では音楽に対して耳を傾ける行動の変化が確認されておりほぼ間違いないとしています。また思春期以降は自信に対する音楽の重要性が低下するといい、聴く音楽の量も思春期を20%とすると成人期では13%に減少することも示されているとのこと。つまり大人になるにつれ音楽を求めなくなるということです。

なぜ大人なると音楽に興味を示さなくなるのか、そして昔の音楽をを聞き続けるようなことをするのか。

自由な時間がない説など…

これについてはいくつか説があるのですが単純な説として時間があります。
単純に学生時代は音楽を探したり音楽に接する時間が確保できるものの、仕事を始めるようになると忙しくなるため音楽を探し求める時間が無いという理由です。

他には加齢に伴う聴力の変化(たとえば高音が聞き取りにくくなるなど)、特に大きな音や高周波音に対する耐性の低下が一部の人々にとって新しい音楽への関心が低下する原因の1つとして指摘されています。

…新しい音楽を受け入れには…聞き続けるしかない!

この論文によると、あくまで仮説のようなものがあるだけで年をとると新しい音楽・歌に対して興味を持ちにくくなる理由は明確には示していません。

思春期の頃に出会った音楽がその後の好きな音楽になることもわかっているといい、言い換えれば音楽というのは時代と共に流行のメロディーがあり、作曲者も歌手も流行も変わっていく分野であるため思春期のお気に入りの歌と今の歌の齟齬が生じ加齢とともに新しい音楽を遠ざける理由にもなっているとも感じられる内容になっています。

研究者によると自分のお気に入りの以外の歌も受け入れる方法をいくつか挙げているのですが、その筆頭として「辛抱強く粘り強く聴くことだ」といい、すぐに気に入らないからといって思い込まず聴けば聴くほど脳は快楽反応を誘発しやすくなると指摘しています。