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世界的に見れば新型コロナはただの風邪、日本でもそのような受け止め方になりつつあるのですが、新型コロナによる死亡した人に関して、いわゆる超過死がワクチン接種率と相関があるというよくわからない研究が報告されています。

西ノルウェー応用科学大学Jarle Aarstad教授とほか一人が発表した論文によると、2021年における新型コロナワクチン接種率の上昇とその後の2022年の過剰死亡増加と相関していると指摘しています。

Is there a Link between the 2021 COVID-19 Vaccination Uptake in Europe and 2022 Excess All-Cause Mortality?[v1] | Preprints
https://www.preprints.org/manuscript/202302.0350/v1
Higher 2021 COVID Vaccination Correlates to Increased Excess Deaths in 2022 | NextBigFuture.com
https://www.nextbigfuture.com/2023/03/higher-2021-covid-vaccination-correlates-to-increased-excess-deaths-in-2022.html

超過死とは前年などから想定されるその年の死者数を予想するというものです。ようするに平年100人が死亡しているにも関わらず120人が死亡するなどした場合に超過死が発生したという表現が使われます。

この教授によると、2022年1月から9月までの31のEU加盟国の分析、更にノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイスを調査した結果、2021 年のワクチン接種率が高いほど全死因死亡率が増加することがわかったとしています。更に2021 年に新型コロナウイルスのワクチンをより多く接種した国では2022 年の最初の 9 か月で超過死亡率が高くなったと主張しています。

その上で、世界的に新型コロナによるパンデミック発生以来、平年に比べて1,680万人から 2,810 万人の超過死亡があったと推定しています。エコノミストは 2023年にヨーロッパでの死亡率は2022 年の通常の年に予想されるよりも約10% 高いと報告しています。

合わせて「ワクチン接種は主に最もリスクの高齢者や太りすぎの人などの集団に対して集中的に行われました。しかし感染して死亡した人は高齢者で翌年には死亡者数が減少すると予想されていたもののそうはなりませんでした」とのこと。

謎の主張

このツッコミどころが多い論文には既に様々な反論が出ているのですが、ワクチンを接種したため平年に比べて「1,680万人から2,810万人の超過死で『抑えられた』」が正しい表現であり、あたかもワクチンの接種率と死者数に相関関係あるという主張は不適切と考えられます。

新型コロナに感染して死亡したのは主に高齢者や病気を持っている人であり新型コロナの大流行により超過死が発生するのは当然です。これはワクチンの生産と接種率がその間に高まったことであたかも相関関係があるように見えるだけに過ぎません。言い換えれば残念ながらワクチンが新型コロナの感染を防ぐ効果・死者数を劇的に減らす効果はかなり限定的だった可能性はあるというものです。

ちなみにこの論文でによると1,680万から 2,810 万人の超過死亡は1959年の春から1961年末にかけて餓死するなどして死亡した中国人の数に匹敵すると表現しています。この時期、中国のトップにいたのは中国政府も『BAN』している毛沢東です。