T-55_2

海外メディアによるとウクライナ南部に位置するザポリージャ地域でロシア軍が残したT-54/55戦車を発見したと報じられています。

Defenceblogによると、今月14日伝えた内容として見出しでも紹介したように、現在激戦地域となっているザポリージャ地域でT-54/55戦車を発見したと報じています。T-54/55については最近鉄道で輸送されている姿が撮影されていました。

Russia’s ancient tanks spotted in Ukraine
https://defence-blog.com/russias-ancient-tanks-spotted-in-ukraine/

▼今年3月末、ロシアで撮影されたT-54/55


T-54/55戦車は1945年にプロトタイプが開発され1946年にソ連軍に正式配備された中戦車です。その後様々な改良型・発展形が開発され冷戦期に合計で83500両生産された、最も多く生産された戦車になります。この戦車は海外でライセンス生産されたこともあり全体的な生産数はよく分かっていません。

一方で現在T-54/55は旧式化したこともありその殆どが退役しているものの、現在も一部で運用されていることが明らかになっています。その一つが今回のロシア軍です。

なぜ古い戦車を使う?

ロシアでは現在配備されている主力戦車はまだ残されているものの想像では国防観点から全てを投入するわけにはいかず古い戦車を運用して戦力を維持しようと考えていると思われます。

このような戦車は退役後、年1回程度のメンテナンスを行うという状態でなかば放置されていたもので状態のよいものが再整備され前線投入されています。これまでT-64という戦車が先に登場したことを考えるとこれら在庫も既になくなって来ていると考えられ、ついにT-54/55世代が復帰したということになります。

一方で戦車を破壊するには相手も対戦車ミサイルなど対戦車兵器を用いる必要があり古い戦車であったとしても当時は第一線で運用されていたものであり、有るのと無いとでは雲泥の戦力差となります。

ただし、T-54/55は100mm砲であり、ロシアでは現在運用されていないと考えられる口径であるため砲弾はどのように用意しているのかは不明です。

T-54とT-55

T-54/55は今はカテゴリ分けされていないものの第二次世界大戦中で分類すると中戦車になります。これは機動性・火力・コストパフォーマンスに優れた戦車シリーズとして戦後主力戦車になるものです。ソ連でも『重戦車』というカテゴリは消えたものの中戦車は後に大量に生産・配備されました。この中戦車が現在の主力戦車となり、第二次世界大戦中の戦車とは比べのにならないほどの驚異的な装甲厚と火力を得ています。

『T-54/55』という呼び方についてはT-54の発展形がT-55になるものの、その見た目が非常に似ておりT-54に見えてもT-55のような装備がついている場合があるなど見た目でも分別が難しいこともありT-54/55と一纏めに呼ばれることがあります。

▼T-54
T-54

▼T-55
T-55