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先日、北海道本土に着弾する可能性もあったとしてJアラートがでた北朝鮮の弾道ミサイル発射。これは火星18という固体燃料方式のロケットだったのですが、発射後3回姿勢を変えて飛行するという特殊な打ち上げを行っていたことが明らかになりました。

韓国メディアによると今月13日に発射した固体燃料ベースの火星18という新型の大陸間弾道ミサイルに関して、一段目は通常の弾道飛行ルート、2段目と3段目は急角度に姿勢を起こし高高度まで打ち上げる特殊な飛行をしていたと報じています。

この内容については朝鮮中央通信は「1段目は標準弾道飛行方式、2、3段目は高角方式に設定した」とし、「ミサイルの最大速度を制限し、武器システムの系統ごとの技術的特性を確証する方法だった」と明らかにしました。つまり各種試験を行うための打ち上げであり制御や分離技術を確立するという目的があったとしています。

問題なのはその飛行経路です。
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こちらは韓国メディアが製作した打ち上げの飛行経路です。具体的なルートは不明なのですが、このように通常の発射角度で飛行し2段目、3段目はより急角度にすることで日本列島を飛び越えないように制限していたことになります。

見失った日本のレーダー

今回の火星18について日本側は弾道ミサイルそのものを「見失った」と発表しています。理由は「高高度に打ち上げためだ」としているのですが、最高到達高度は3000km程度と高いとうことでもありません。

考えられる理由については想定された飛行ルートつまり弾道飛行するルートとは外れてしまい、変則的な軌道で飛んでいったため「見失った」という表現が正しいと考えられます。つまりこのような飛行をされた場合、今後は発見できる可能性はあるものの見失う可能性も高いということになります。

一方で韓国側は正常に探知できていたと考えられます。理由は日本は「落下を確認していない」と発表しており完全に見失ったと表現されていたものの韓国軍は1000km飛翔し落下したと早い段階で発表していたためです。

なぜ日本は追跡に失敗したのか。もちろん地理的な上限もあるのですが発表では「レーダーが探知した後まもなく消失した」と発表しています。想像すると1段目と2段目の切り離し後急角度に向きを変えたときに想定した飛行ルートに存在せずレーダーで探知できなくなったと考えられます。
いずれにしてもまったく弾道の追跡が行えなかったとすれば迎撃ミサイルなども一切使用できないということになり現時点では仮にこのような飛行をされた場合、迎撃に失敗する可能性が極めて高いということになります。