image9

ここ数年、突発性難聴、突発性感音難聴(SSHL / SSNHL) を患うことに関して、南オーストラリア大学の研究者によると新型コロナに感染してから数週間後に難聴になるという、ウイルスの新たな副作用を報告しています。

南オーストラリア大学の新生児集中治療などを行っている看護講師キム・ギブソンさん(ワクチン接種済み)によると、本人が軽度のCOVID-19感染を経験してから数週間後に片耳に急性難聴とめまいと耳鳴りを発症した経験から、新型コロナと難聴に何らかの因果関係を調査したというものです。

Experience of sudden sensorineural hearing loss following a mild COVID-19 infection | BMJ Case Reports
https://casereports.bmj.com/content/16/4/e252899

Hearing Loss Is a Side Effect of COVID-19 - Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/hearing-loss-covid-23012/

まず、現時点で新型コロナ感染と難聴は世界的見てもほとんど理解されていない副作用であり、ほとんどのウェブサイトや一般開業医でも症状としてリストされていないとのことです。彼女は経口プレドニゾロンとベタヒスチンを処方され聴力はその後の数か月でゆっくりと改善しているものの、断続的な耳鳴りを経験し続けているとのこと。

ただ、ギブソンさんによると「COVID-19とワクチンの短期的および長期的な影響に関する証拠はまだ出てきており、この論文の目的としてはウイルスの知られていない副作用を強調することだ」と説明しています。
合わせて臨床医は難聴の患者と話す際にCOVID-19の潜在的な副作用として突発性難聴を含める必要があると考えているとのこと。高用量コルチコステロイドは難聴の治療の第一選択として推奨されているらしく、症状が発生したらすぐに患者を専門医に紹介することが重要だと説明しています。

ギブソンさんによるとパンデミック中の難聴に関する研究というものがあり、この間の難聴患者の約 3 分の1 が、聴覚専門医に紹介されたときにCOVID-19に陽性であることが示されていたとのこと。他の 研究では、無症候性の人々を含め、2020 年と2021年に難聴の増加が報告されていると説明しています。

突発性難聴は直ちに病院に行く必要がある

突発性難聴については朝目覚めた直後や何らかの瞬間に発症することが知られています。突発性難聴、突発性感音難聴(SSHL / SSNHL)、急性難聴と呼ばれるいずれの場合も、発症後24時間以内に対処が後の聴力回復に繋がるため直ちの病院の受診が必要となります。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。