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先日『中国』で発生したヤバイレベルの黄砂が日本や韓国に飛来したのですが、これに関して中国共産党系メディアは黄砂の発生源は中国ではなくモンゴルで「中国も被害者だ」と、日韓の報道に反発する記事を掲載したと報じています。ちなみに中国の気象当局は黄砂は中国国内でも発生していると説明しています。

韓国メディア、朝鮮日報によると今月16日、中国共産党機関紙『人民日報』系のメディアでる環球時報の英字版の記事で最近発生した黄砂はモンゴル由来で中国ではないという主張を出したと報じています。

記事の文面としては「中国中央気象台(日本では気象庁)が今年、最も強力な2回の黄砂は首都・北京から600km以上離れたモンゴルで発生した』と発表した」というものでした。合わせて「日本と韓国のメディアは中国の黄砂で被害を受けていると報道した」として、両国の「中国の黄砂」という表現に不快感を示したとしています。

中国については2021年3月に中国外交当局が「我々も黄砂の被害者だ」と主張しており、批判を回避するような態度をとっていることが明らかになっています。

黄砂の発生源はどこなのか、環境省によると
黄砂とは 黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。
としています。具体的な国名を出すとモンゴル南部や中国・内モンゴル自治区などの砂漠地帯が発生源としており、面積としてはモンゴルよりも中国のほうが多いとされています。

▼黄砂発生源の分布地図
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そもそもなぜこの地域で砂漠化が進んだのかについては諸説あるのですが、時代としては15世紀ごろにモンゴルの騎馬遊牧民への守りを固めるべく万里の長城を大改修した際、レンガを焼くために大量の木が伐採され一帯の森林破壊が急速に進んだと言われているとのことです。(参考)
以降、農地化したことや羊やヤギが放牧されたことで原因でいまのような砂漠化が進行したとしています。

このように科学的に見ても黄砂の発生源については確かにモンゴルも一部かぶっているものの大半が中国国内です。中国メディアもモンゴルで発生した2度の黄砂に言及しただけで中国領土の新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区で発生した黄砂には言及しておらず、中国中央気象台は最近発生した一部の黄砂について、中国西北部の砂漠地域で発生したと説明している件については一切ふれていないとしています。

もちろん中国も黄砂対策は行っており三北防護林計画というもので砂漠化は2000年をピークに減少しつつあるらしいとも紹介されています。