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テレビ報道等でも報じられているように、日本企業が開発したispaceの月面着陸船が何らかの理由で着陸寸前で通信途絶となり失敗した可能性があると報じられています。状況としては現在も通信が回復していないといのことなのですが、一体何が起こったのでしょうか。

具体的なミッション計画は省略するとして、今回ispaceが行った月面着陸に関しては、月面に着陸すれば民間初の着陸に成功という快挙となる予定でした。しかし着陸寸前で通信が行えなくなりどのような状況になっているのかがよく分かっていません。

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こちらが全体的な着陸までのシーケンスです。

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こちらが着陸までになります。

今回どの段階で失敗したのかは上の画像では最終降下フェーズと考えられます。着陸を予定していたのはアトラス・クレーターという地球から見てうさぎの背中、北位置するエリアです。

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こちらのツイートではよくわからない表現されていますが、高度90m程度、速度は月面から37km/h程度まで減速できていたことが確認されているとのこと。ただ最終的にどの程度まで通信できていたのかは不明です。そもそもこのデータというか映像が事前に作られていたものなので、事故当時のものなのかは不明です。

考えられる原因

日本経済新聞によるとispaceの発表として『同社が着陸時のデータを分析したところ、着陸船の燃料が切れたほか、月面に向かう速度が急速に上昇していた』と報じました。

簡単に説明すると着陸前に燃料切れが発生し減速することができなくなったため月の重力で加速しながら激突した可能性が高いと考えられます。CEOの発表は「着陸直前までは通信が確立していたものの、着陸後と思われるタイミングから通信が確立していない状況で、残念ながら通信がない」「当時の状況を考えると月面の着陸すれすれまでデータが得られたことは、非常にすばらしい成果だったと思う」と説明しています。

いずれにしても落下した速度が重要となってくるのですが、現在も通信が確率できないとなると健全な状態になっているとは考えられず「完了困難」とも表現されていることから、破壊され着陸は失敗した可能性が極めて高くなっています。



ちなみに民間初として月面着陸を行ったイスラエルのものは着陸の最終段階の工程となった高度150mで突然通信が断絶しています。このときの速度は3,396km/hで着陸地点からも120km離れていたことが明らかになっています。