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ウクライナに侵攻し首都を短期間で陥落させる勢いで進撃してたものの稚拙な戦術に返り討ちにされたロシア。そのロシアは現在囚人を始め徴集により兵士を集めているのですが、実はロシア軍に参加しない、軍を支持しないというロシア人がかなり多く存在しているという主張を紹介していきます。

エディンバラ・ネーピア大学社会学講師によると、2022年9月以降ロシアではそこらの国民に対して徴集を行う形でウクライナ侵攻を続けることを決定。これにより数十万人の若者が国外に退去しました。一部報道によると最大で70万人が国を去ったとされているのですが、なぜ支持率が高いはずのプーチンを裏切り外国に逃げたのか。

ロシアはこれまで兵士になり戦争に参加することで英雄になれる、高い賃金を得られるため車を買ったり、借金も返済できたり、隣町に引っ越ししたりと要は「いろいろ捗るぞ」という広告を垂れ流し続けています。

ではなぜロシア人はロシアのために戦おうとしないのか。ロシアは現在も憲法上18~27歳の男性は兵役の義務が課せられています。つまり何かあればその命と引き換えに国を守る義務を負ってます。

旧ソ連時代この年代の若者は70~85%が徴兵されていたもののソ連崩壊後の10年間は10~30%にまで低下していたといいます。もちろん現在はどの程度か不明です。

ロシアがウクライナ相手に苦戦しているにも関わらず、自らの命をロシアとプーチンに捧げようとしないのか。2012年から2014年に講師が実際に40人のロシア人から話を聞いたところ、男性の大多数が個人的にロシア軍に勤務することに消極的であり、自分の息子が軍に就くことに厳しく反対していたといいます。

特にソ連崩壊前と崩壊後で意識が大きく変わったらしく以前は入隊することは男性としては英雄になれ社会的地位も高まると考えられていたものの、現在は腐敗した組織で危険な任務でありなにより時間の無駄であり、他に職業につけないような人が入隊する貧しい人が選択するような場所と認識されるようになったといいます。


この理由については2004年のヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書としてソ連崩壊後の市場経済への移行が徴兵制に深刻な影響を与えたのではないかと見ています。比較的恵まれた背景を持つ若者が増えたことで、お金を払って軍隊を拒否する方法、また大学に通うための徴兵猶予を得ることができるためロシアの徴兵者の多くは「社会で最も恵まれず、最も裕福ではない地域の出身」が多いとしています。

実際に現在ロシアに徴集された男性の多くがロシア国内の最貧地域出身者で多く構成されており、さらにウクライナ侵攻の実態をほとんど知らないと考えられる国内の少数民族を不当に多く徴集しているとされています。