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恐竜やその子孫となる鳥に共通しているのは羽毛です。かなり古い時代から羽毛があったという研究が既に示されているのですが、鱗のDNAを少し変えるだけで羽毛が作られることがわかったと報じられています。

生き物の体を覆うものと言えば、私達地上の哺乳類は毛皮、魚は鱗、鳥は羽です。共通して体を覆っているということは同じですが見た目が異なります。しかし、この3つは基本的には同じされ、これらは簡単な遺伝子操作だけでそれぞれ入れ替えることができることがわかったとしています。

Tweaking Just a Few Genes Transforms Scales Into Feathers : ScienceAlert

スイスのジュネーブ大学の遺伝学者ミシェル・ミリンコビッチ氏らはソニック・ヘッジホッグ(Shh)遺伝子を標的にして鱗の代わりに羽毛が生えるように鶏の胎児を改変しました。結果、この雛は鱗の脚ではなく羽毛の生えた脚になりました。もちろんこの羽毛は一生羽毛のままです。

研究者は「我々は、ニワトリにおけるソニックヘッジホッグ(Shh)経路シグナル伝達の段階特異的な一過性アゴニズムが、足と指の腹側表面の網状鱗を羽毛への完全かつ永続的な移行を引き起こすことを実証した」と説明しています。

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今回の研究は、鶏ブランドであるロス社のブロイラー鶏を用いたとしており、普通のニワトリと同じように脚には羽毛がほとんどなく鱗状となっています。研究者らは、まだ卵の中にある胎児のニワトリの静脈に、通常鱗状の皮膚で覆われている領域の羽の成長を引き起こすためにShh経路のシグナル伝達を促進する物質を注射することで遺伝子を変えたとしています。

「私たちは、強力なトーチで卵の殻の内側の血管を照らす『卵の検温』という古典的な技術を使いました」とクーパー氏は説明しています。

ミリンコビッチらの研究チームはさまざまな角質化した皮膚付属物つまり毛、羽などは、数億年前の祖先、爬虫類と同じ進化的起源を持ちその後、多様な動物に多様化したことを実証しました。これらすべての動物は、皮膚のプラコードとして知られる構造として始まり、それが厚くなり、鱗、背骨、またはその動物が持つ傾向のある付属器官へと成長し始めます。

研究者は「私たちの結果は、鱗から羽毛への進化の飛躍にはゲノムの構成や発現における大きな変化は必要ないことを示しています」と話しています。

羽毛の誕生

始祖鳥

地球上において羽毛の誕生はいつ頃だったのかはよく分かっていません。その主たる鳥類は恐竜が登場した三畳紀後期、2億3000万年前から現在の鳥(恐竜)として徐々に進化していったと考えられています。

最古の鳥類化石から1億5000万年前(ジュラ紀後期)には何らかの羽毛をもっていた可能性が分かっているのですが、この羽毛は恐竜から突然羽毛が生え飛行能力を有したというものではなく推定で少なくとも三畳紀後期から始祖鳥が現れるまでの8000万年とい途方もない時間をかけて獲得したとされています。

ちなみに全ての恐竜について何らかの羽毛があったという研究もあるのですが、現在の鳥のように全身ではなく、背中の一部など限られたところにあったという主張もあります。

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