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未解決事件や心霊的事象など結果が出ないシリーズはテレビ番組や雑誌でも取り上げられる傾向があります。一方で一般人も何故かそのような事件・現象に魅力を感じることがあると思うのですが、その理由を大学の研究者はこのように主張しています。

アメリカでも未解決事件や超自然的な謎を追うドキュメンタリー番組「Unsolved Mysteries」が長年人気を博していますが、なぜそのようなミステリーを魅力的に感じる人が多いのか、オーストラリアのサザンクイーンズランド大学でメディア研究の上級講師を務めるダリル・スパークス氏が解説しています。

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毎年定期的に放送される未解決事件シリーズ。一昔前は超常現象やUMA、第六感、など心霊的な番組も比較的多く放送されていた気がするのですが、このような番組というのは実はアメリカでも人気があるといいます。

なぜ私達はよくわからない出来事に興味を引かれてしまうのでしょうか。スパークス氏によると「合理的な説明がすぐにつかないものを自然と信じてしまう傾向がある」と心理的な理由を挙げています。具体的にはオーストラリアでは「超常現象が存在する可能性は十分にあると信じている」と回答した人は90%近くいたとされ、50%が心霊的なものを信じていると回答しています。

宗教哲学を研究するスティーブン・ロー氏によると「人間は何かを信じることで不明・不確実な事象をコントロールできている気分になり、不確実な状況の中で安心感を抱くことができます」とし、「誤った肯定的な信念に陥りやすいという事実は注意を促す必要があります」と話しています。要するに日本では問題になった霊感商法的な詐欺に繋がるため注意が必要だとしています。

一方で未解決事件はどうなのか。
これについて犯罪学者のスコット・ボン氏は「殺人などの恐ろしい行為をテレビなどで目にすると脳の中では刺激的かつ中毒性のあるアドレナリンが生み出されため、絶叫マシンに繰り返し乗るように残虐な事件を詳細に知りたくなる」とも説明しています。
また女性はこのような番組を見ることで自分に起こりうる可能性があり予めヒントを得るという理由や「自分がこうならなくてよかった」という感情が考えられると指摘しています。

いずれにしても私達は存在しない何かに信念を抱く傾向があることは間違いないと説明されており、テレビ局や出版側も惹かれるものがあり、心理を利用し視聴率を稼ぐということに繋がっている…ということになりそうです。