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民間企業初となる月面着陸に挑んだものの失敗したispaceの民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」。同社の調査結果が発表されたのですが、原因としては探査機自身が高度を判別できず落下したという趣旨の説明がされています。

ispaceが今月26日に発表した『ispace、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1 成果報告を発表』によると、2023年4月26日深夜に予定されていた月面着陸シーケンスで得られたフライトデータの解析結果が終了したとして事故の詳細を明らかにしました。

概要だけ簡単に紹介すると、同社の探査機となるランダーは月面から約高度5000mで垂直状態に効果していたことが確認されています。当時の落下速度は秒速1m程度のゆっくりしたものでした。そして事故の最大の原因となったとは月面の巨大なクレーターでした。

内容によると、ランダーは着陸予定地まで横移動と降下しながら近づいたものの、クレーターの縁にある高さ3000m級の地形を探知。ランダー側のセンサーが月面からの地表高度が急速に変化したことでランダーは現在の高度を0メートルと判断してしまいました。

もちろんそんなことはなくランダーは月面上空にいたのですが、ランダーがセンサーで測定高度とランダーに入力していた推定高度の値に大きな乖離が発生する結果になります。ランダーは乖離値が大きくなった場合はセンサー測定を無視する(センサーの故障や異常値だと判断する)という安全設計を搭載していたのですが、センサーから入ってくる実際の高度が無視されたことで結局墜落してしまったとしています。

同社は着陸前にこのような自体は当然シミュレーションを行ったもののランダー側が測定した計測データはそれを超えるものであったと説明しています。ispaceとして事故原因を元にソフトウェア開発を行うとしており2024年にも打ち上げ予定の月面着陸に挑みたいとしています。

今回は地表面との高度を誤って認識したことで墜落したというものになるのですが、同様の事故は過去にも発生しており、例えば火星地表探査機であれば上空で切り離した耐熱シードを『地面』とセンサーが判断してしまい墜落するという事故も発生しています。

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