中国における宇宙開発についてては現在は有人月面着陸を成功させるため一連の嫦娥計画というものを進めています。これは無人による月面探査や月土壌のサンプルリターン、そして有人月面探査に、月面基地での長期滞在という長期計画です。

嫦娥計画は2003年に始まり、既に月軌道への探査機投入、月面探査車の投入、月からのサンプルリターンに成功させています。これは2007年から2020年11月にかけて行われたものにないります。

そして嫦娥計画の次の目標は有人月面探査でその次は月面基地での長期滞在です。今回示されたのは有人月面探査になるのですが、アポロ計画でアメリカが唯一実施に成功したものに続くものであり、国家としては2番目の国になるということになります。

この内容を発表したのは中国有人宇宙局副局長の林志彰氏で今月29日、記者会見の場で2030年までに宇宙飛行士を月に着陸させると発表を行いました。(参考)

有人着陸はほぼ確実にやる

中国における宇宙開発についてはよく言われるように、西側の宇宙開発に比べて計画通り定められた年に実施してくることが多くなっています。つまり2030年までとしていることから2029～2030年末頃に高い確率で有人着陸を実施してくる可能性があります。

今後2023年から2030年にかけ宇宙飛行士を月周回軌道に打ち上げるなど本格的な計画を実施してくると考えられ、その有人着陸を実施するのも月の南極になるなどアメリカが主導で行うアルテミス計画と被ってくることが予想されます。

西側と中国の月面着陸レース始まる

私達西側陣営としてはアルテミス計画としてアメリカ主導で行う有人月面探査が既に進められています。しかし、このアルテミス計画については2025年にスターシップの派生型となるHLSという月面着陸船を用いて4名による月面着陸および探査が計画されているもののスターシップそのものが初飛行に失敗するなど計画については依然として未定です。

いずれにしても中国よりも先に行うというのはアメリカの威信に関わる問題でもあるため、延期に延期を重ねたアメリカの重い腰が中国というライバルの存在でようやくまとに動くことになりそうです。