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新聞やネット広告などパソコンをリサイクルするなどという文言を見かけますが、イギリスで行われた調査によると、リサイクル支援団体らが違法にパソコンを発展途上国に持ち出すなどリサイクルしていない違法行為が横行していると報じています。

日本ではパソコンのリサイクルは一般的に3000円(税抜き)がかかってきます。産業廃棄物処理業者で処分した場合は1000円程度、買取・リサイクル業者では無料の場合が多くあります。特に買取・リサイクル業者の場合は国から認定を受けた小型家電リサイクル法の認定事業者である場合があり、無料でも回収することを行っています。

しかしイギリスでは経済紙のFinancial Timesが調査を行った結果、リサイクル業者が解体処分するのではなく、そのまま転売したり、個人が勝手に再利用したり海外に違法に廃棄物として輸出しているという実態が明らかになりました。

Throwaway Britain: what happens to our old tech? | Financial Times

記事によると、リサイクル支援団体『Material Focus』によると、イギリスでは毎年約3万トン程度の電子廃棄物が国外に違法に輸出されているといい、その大半が発展途上国に向かっているとしています。当然このような国ではまともにリサイクされることはありません。

またこれとは別に毎年8万7000トンもの電子廃棄物がイギリス国内で違法な廃棄物処理場に運ばれていると推定しています。つまりまともにリサイクはされていません。

記事によると、いずれの自称リサイク業者は「正しくリサイクル処理を行っている」していると主張しているといいます。そこで同社はリサイクルとして出したPCにこっそりと追跡用の装置を付けて調査を実施しました。このPCは新規購入したときに古いPCを引き取ることを法律で義務付けられた業者に出して追跡したと説明しています。

結果としては追跡装置を搭載した14台のうち10台はPCはアマゾンやデルなど大手は正しくリサイクル業者に手渡されていたことがわかりました。しかし残りの4台については業者の人間がPCを不当に盗み個人使用していたことが発覚します。特にイギリスのスーパーマーケットチェーンであるArgosに出されたPCについてはインターネットオークションに不当に出品されていたことがわかりました。

一方で海外に輸出される端末については、イギリスは特に多いと報じられておりその理由としては国が不法輸出を取り締まりを半ば野放しにしていることに理由があるといい、アメリカやそのほかヨーロッパ各国に比べてもイギリスはもっと多かったとしています。