image116

新型コロナで徹底的な衛生管理が行われたことで大幅に減少していた様々な病気。しかし、それが終わった現在は感染症なども再び急増しているとされているのですが、実は細菌や真菌が脳に入り込むことで発生する脳腫瘍も急増していると報じられています。

アメリカの保健当局となるCDCによると、新型コロナの各種規制が緩和されて以降、18歳未満の脳腫瘍発症例が月間としては平均の最大症例数となる61件を上回った状態になっていると報じられています。具体的には2022年12月にはアメリカだけで102件報告されており、感染のピークを迎えたとしています。

Abnormal Surge of Brain Abscesses in American Children, CDC Says : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/abnormal-surge-of-brain-abscesses-in-american-children-cdc-says

脳腫瘍は通常、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、副鼻腔炎などの呼吸器感染症の後に引き起こされることが多く、子供たちが各種ワクチン接種を受け続けることの重要だとしています。一方で脳腫瘍についてはその発症は非常に稀ですが、これも感染症が原因で発生することがわかっています。

細菌や真菌が脳に侵入することによって引き起こされる脳の感染症が脳腫瘍であり、通常は肺炎など体の別の部分の感染から血流を介してまたは耳や歯などから頭部の感染を介して起こるとしています。

具体的にどの程度発生しているのかについて、CDCの疫学者エマ・アコーシ氏らの報告書によると、入院データから2016年から2019年までベースライン中央値として月に34件の脳膿瘍が発生していたといいます。この期間のベースラインにおける最大1か月あたり61件となっていました。

しかし新型コロナが流行するとアメリカでも各地でロックダウンなど行った結果、その後の数か月間で多くの病気が減少しました。新型コロナは当然として、インフルエンザの症例数は劇的に減少、呼吸器合胞体ウイルス(RSV) の症例数も同様に減少しました。

CDCの報告によると、新型コロナが本格的に流行し始めた2020年5月以降、月間感染者数はベースラインを大幅に下回る状態になりました。つまり脳腫瘍の新規患者が減ったという意味です。この流れは2021年5月までその状態が続いたものの、脳腫瘍の患者数はパンデミック前よりも大幅に増加し始めたとしています。

2022年12月にベースライン中央値の3倍以上となる102例という記録的なピークを迎えた後、小児脳膿瘍の症例は減少し始めています。ただし、2023年3月までは月間感染者数のベースライン最大値である 61件を上回ったままとなっています。

CDCのジェシカ・ペニー率いる研究者らは、脳膿瘍の症例増加はネバダ州で行った症例から2022年2月のマスク着用義務解除との間に関連性がある可能性を示唆しています。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。