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原子力発電所などで利用されるウラン。一般的ウラン鉱山から採掘されるのですが実は海にも極めて微量ながら存在しています。これを得ようと中国は世界最大となる試験施設を建設したと報じられています。

海水にウランがあるという話を耳にされたことがある方も多いと思いますがその濃度としては約0.003 ppmです。一方で地殻中に含有するウラン平均存在量は約 2.7ppm。さらにウラン鉱脈となるとその何倍にもなります。

きわめて微量の海洋ウランですが、海には約40億トンものウランがあると推定されています。これを回収しようとしているのか各国共通なのですが今回は中国原子力総公司(CNNC)は南シナ海に海洋ウラン抽出試験施設を今後建設予定だとしています。

世界を見るとアメリカや日本など先進国はこれまで合計で1kgほどの海洋ウランを抽出したものの商業的に抽出は行っていないそうです。理由はコストです。目安として1kgのウランを得るのに必要なコストは海洋は陸上の3~10倍ほどかかるとされウラン資源の売買費用から見ても赤字になるという理由です。

しかし、陸上鉱石ウラン資源の総量は約370万トン程度なのですが、海洋は約40億トンという桁違いな量になっているため仮に経済的に回収できれば将来性が見込まれるという理由です。

海洋ウランのメリット・デメリット

その他にも海洋ウラン抽出についてはこのようなメリット・デメリットがあるとされています。

一つはウラン資源の多様化です。現在陸上のウラン鉱床に依存しているものの海では基本的にどこの海でも抽出できるためウラン資源の一部国家に独占がされず供給源の多様化が図れます。

合わせて海洋ウラン抽出では鉱山の開発や採掘作業が不要です。森林を切り開くなど環境への影響が低減され地球上の鉱石資源の枯渇問題以外も地域の生態系への悪影響を軽減することができます。

一方でデメリットとしては先ほども紹介したように現在は抽出コストが非常に高くなることです。現在のウランの取引レートでは完全に赤字になってしまいます。合わせてウランを効率的に取り出す方法が技術的に困難であり技術開発にも費用がかかります。

また抽出に伴い廃棄物処理はどうしても付きまとうとしており、維持管理と適切な管理が求められるとしています。

参考