145万年前の人類は当然今の姿か形とは大きく異なり、時代的にはジャワ原人がまだいた頃になるのですが、ケニアのクービ・フォラの遺跡から出土した145万年前のものと推定される骨の1つから予期せぬものを発見しました。

Mystery Human Relative Appears to Have Been Butchered And Eaten 1.45 Million Years Ago : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/mystery-human-relative-appears-to-have-been-butchered-and-eaten-1-45-million-years-ago

それはライオンのような何かの歯形ではなく、明らかに道具である石器を使って意図的な切り傷のように見えるものを見つけました。

実は私達古い人類は死後、死者を埋葬するという理由から特に硬い骨を取り出し彫刻を刻みペンダントなどにするというのはこれまでの遺跡からも複数見つかっています。これは広く普通に行われていたことで珍しいということでもないのですが一方で人食い行為や人食行為が行われていたことを示唆する研究もいくつか報告されています。

スミソニアン博物館国立自然史博物館の古人類学者ブリアナ・ポビナー率いるチームは、クービ・フォラ移籍から見つかった骨の切り傷の詳細な3D分析を行い、その切り傷が何でできたのかを調べるために骨の実験を行いました。



具体的には898個の動物の歯、何らかの踏みつけによる傷、切り傷の跡のデータベースと比較しました。このデータベースは管理された実験中に時間をかけて慎重に作成されました。結果、ほぼ間違いない結果として研究チームは骨に残された11の痕跡のうち少なくとも9つは人類が作った石器によって付けられた損傷の種類と一致する切断痕だと特定しました。ちなみに残り2つはライオンの歯型に似ていたとしています。

研究チームによると、傷はすべて同じ角度と方向を向いていること、ふくらはぎの筋肉が骨に付着しているであろう場所に位置にあり肉の塊から骨を取り除くことが目的の場合、ここは切るのに最適な場所だということです。
そしてこの切断痕は食べるために動物の化石で複数見つかった跡に非常によく似ているといい何らかの儀式ではなく栄養補給のために食べられ可能性が最も高いとしています。

ちなみに現時点でこの骨がいったいどの種の人類の骨なのかはよく分かっていないとしています。