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初めて地球以外の天体に人を送り込んだアポロ計画。有名な11号ではニール・アームストロングら3人が帰還後に隔離されていました。これは未知の細菌感染などに備えたものでしたが、事実上形だけの対応になってしました。

アポロ計画の実施にあたり、政府や科学者は月から微生物を持ち帰ってしまうと地球環境に影響を及ぼすおそれがあるとして、宇宙船や宇宙飛行士、搭載機器、回収したサンプルに対する検疫プロトコルを設定しました。

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アポロ計画で月面探査を成功され数名の宇宙飛行士。一方で月から持ち帰ったら例えば未知の微生物がいる可能性がゼロではなく、宇宙飛行士も含めて一定期間隔離するなどの検疫が行われました。しかしこの検疫はほぼ意味がない形だけ行われただけだったとしています。

記事によると、まず1969年のアポロ11号で月面着陸は成功させたものの、その月に微生物が存在しているのか否かも含めてよく分かっていませんでした。問題なのはほぼいないだろうと分かっていたとしても、仮に何らかの微生物がいた場合、地球に持ち帰ってしまう可能性がゼロではありませんでした。

そこでNASAは月受信研究所(LRL:Lunar Receiving Laboratory)を建設し帰還した宇宙飛行士らは3週間すごしてもらいました。



こちらが当時の貴重な内部の様子です。アームストロング氏は39歳の誕生日を施設内部で迎えました。

問題なのはこの検疫について実際のところは機能していませんでした。確かに施設は機能していたものの地球への帰還から宇宙飛行士らの回収まで、特に検疫は行われておらず普通に開放した状態で行っていたためです。

具体的には例えば3人を載せた宇宙船が着水するまで宇宙船内の空気は大気圏内で排出されていました。もちろん着水後の宇宙飛行士の収容についてもハッチが全開で開けられ開放状態で特に封じ込めなどは行われていませんでした。

このようにすべて開放状態で回収したにも関わらず帰還後に隔離された理由は、国民の「ウイルスを持ち込むんじゃないか?」という懸念に対応するため行われたとジョージタウン大学のダゴマー・デグルート氏は指摘しています。