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空母から飛び立つ艦載機。その選定を行っていたインド海軍は次期艦上戦闘機として海軍型のラファールMを導入することを決定したと報じています。一方で争っていた米ボーイングのF/A-18E/Fは敗れる形となりました。

見出しでも紹介したようにこの内容はインド国防省の国防調達評議会が発表したというもので、フランスのダッソー・アビエーションが開発しているラファールMについて、インド海軍の次世代艦上戦闘機としてまずは26基の購入を決定したというものです。

ラファールMとはラファールの海軍の空母艦上機モデルになります。他にはラファールBとCは空軍向けで座席が複座型と単座モデル、ラファールMとNは海軍向けて単座モデルと複座モデルになるのですが、Nについては予算削減として開発されませんでした。

記事によると、ラファールMに関して4機については訓練用として複座型が導入されるとしています。さきほども紹介したように海軍型ラファールについては複座型のラファールNは生産されておらずどのようなものになるのかは不明です。

予想では空軍型のラファールMがあるのですが、こちらについてはインド空軍で既に運用されているのですが、こちらは空母に着艦などはできないため特別仕様のものを開発するのかなどは明らかになっていません。

▼インド初の国産空母 ヴィクラント(2022年就役、全長262m)
ヴィクラント_1

破れたボーイングのF/A-18E/F

海軍の映画、トム・クルーズの例の映画でもおなじみでアメリカ海軍でもトップクラスの実戦・運用実績があるのはF/A-18E/F スーパーホーネットです。インド海軍としてはラファールとこちらのスーパーホーネットのどちらかを輸入する計画になっていました。

インドではその評価としてゴア州南西部にある海軍基地で行われた一連の試験を行いました。そこには実際の空母を模した先端が反り上がったスキージャンプのある地上施設で離着陸を行うなど評価が行われたとしています。

▼ボーイングがアメリカで行ったスーパーホーネットのスキージャンプ。非常に珍しい映像。

機体がデカすぎる懸念

なぜF/A-18E/F スーパーホーネットが破れたのかは詳しい理由は不明ですが、一方で問題になるのは搭載する空母ヴィクラントでの運用です。記事によると、ヴィクラントはアメリカやフランスのようにカタパルトで射出するような構造ではなく、航空機の推力を用いて飛び立つスキージャンプ甲板になっています。

射出は問題は無いらしいのですが、機体を艦内から甲板に移動するエレベーターが小さく、ロシアのMiG-29Kスケールで作られた可能性があるとしています。

▼ヴィクラント、エレベーターの一つ

サイズとしてはエレベーターの幅は32フィート10インチとなっており、ラファールは翼幅が35フィート9インチとはみ出す形になります。これは折りたたみ構造がないためです。一方でF/A-18E/F スーパーホーネットであれば翼を折り畳めるため30フィート6インチとなります。

したがって規格外となる可能性がありどのような改修が行う必要があるのかは不明だとしています。