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日本と同じように多種多様なパック入り牛乳が販売されている韓国。しかし飼料価格の高騰などを受け牛乳価格の引き上げの議論されているのですが、その中で注目されているのは賞味期限が異常なほど長い輸入牛乳です。

価格高騰で輸入牛乳、正しくは輸入酸滅菌牛乳の消費が今後拡大していくのではないかと報じられている韓国。輸入量として2019年には約1万トンとなっており2022年には3万3000トンあまりとここ数年で3倍以上も増えているといいます。

具体的に一般的な牛乳と輸入酸滅菌牛乳は何が違うのか。まず殺菌方法です。病原性有害細菌だけでなく牛乳中の乳酸菌など有益菌まですべて殺す方式となっているのですが、輸入された牛乳の全ては有害細菌はする一方で乳酸菌などは残す滅菌処理となっているといいます。この理由は長期間にわたって長距離を移動する過程で腐敗を防ぐためです。

輸入された外国産の滅菌牛乳の賞味期限は通常1年となっています。
これは平均11~14日に過ぎない一般的な牛乳より賞味期限が26~33倍も長いものになっています。牛乳業界の関係者によると「輸入産の滅菌牛乳は国内に入るのに一ヶ月以上かかる」とし「長距離を長期間にわたって移動しながら安全性を保障するのは難しいからだ」と話しています。

一方で問題になるのは味ですが、輸入酸滅菌牛乳には等級が表示されておらず品質だけでなく味・鮮度に対する懸念も排除できないと指摘されています。事実オンラインショップで販売されている輸入牛乳の評判は「牛乳の味が口に合わない」などの書き込みも多く目立つといいます。


もちろん韓国でも輸入牛乳と同じ滅菌牛乳が売られているのですが、こちらは消費期限が12週間で外国製のものよりも圧倒的に短くなっています。業界によると輸入牛乳とおなじように1年程度の賞味期限にできるものの滅菌牛乳は12週間が過ぎると「クリーム化現象」が発生し油脂が分散しはじめるため、あえて賞味期限を12週間と短く設定することで品質を維持しているとしています。

輸入産滅菌牛乳が打ち出す強みの一つが「安い価格」になるのですが、韓国国内の滅菌牛乳とどのくらい差があるのか。
現在販売されている主要な滅菌牛乳製品の1Lあたりの価格はソウル牛乳の滅菌牛乳は1740~2100ウォンに対し、ドイツの滅菌牛乳は2100~4200ウォン、ポーランドのものは1650~1960ウォンでした。このように国によって異なるものの同等レベルとなっており、今後価格が上昇すると輸入したものが安くなる場面が出てくるものと考えられます。

参考:マネートゥデイ