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2023年6月に起訴された韓国の画家・林玉相被告。実はこの人物、ソウル市にある日本軍従軍慰安婦「記憶の場」追悼公園にあるモニュメントなどを手掛けていた人物で、製作時点で犯罪者だったとして撤去するなどの対応に出ていると報じられています。

韓国の複数メディアによると、韓国の画家・林玉相(イム・オクサン)という人物は2013年に自身の事務所で働いていた女性スタッフに対して強制わいせつ行為を及んだとして先月、在宅起訴されました。この人物については今月6日に行われた初公判で事実と認めているのですが、検察側は「犯行経緯や内容、そしてわいせつの内容は軽いものではなく悪質だ」と主張し懲役1年を求刑しています。

韓国で問題となっているのは、林玉相が作った美術作品がソウル市各地に設置されている他、政治的な活動でも彼の作品が使われていたことです。

ソウル市の南山にあるという日本軍従軍慰安婦『記憶の場』追悼公園に設置された2つの作品『大地の目』と『世の中のへそ』。この2つは林玉相が手掛けたもので、強制わいせつを行った3年ほど後に設置されたものでした。

他にも朴槿恵元大統領が弾劾された時ロウソク集会の様子を描いた作品が文在寅前大統領時代に青瓦台本館に掲げられていたといい、彼が政治家らと何らか繋がりがあった人物であることは間違いありません。

また公園以外、複数の公共施設でも彼の作品は展示されていることが分かっており、事件の発覚で既に撤去されたり撤去に向けた手続きを行っているとしています。

この問題について韓国メディアも否定的な主張をしており、朝鮮日報は『強制わいせつだけに別の美術作品の中でも女性や人権に関するものをそのままにしてはならない。あえて林玉相被告の作品を残しておかなければならないというなら、慰安婦追悼公園とモニュメントの隣に、同被告の強制わいせつの事実を告げる説明文を別途に設置すべきだろう』と痛烈に批判しています。

設置を決めた市長は秘書のセクハラ

今回の件については韓国でも否定的な意見が支配的とされているのですが、そもそもこの公園にモニュメントを設置したのは当時のソウル市でありそのトップだった市長だった故朴元淳です。

このソウル市長についても2018年に秘書の女性に対して「匂いをかぎたい」「きょうは体が素敵だ」「セックスを教えてやる」などと複数のセクハラを行っていたことが2020年に発覚しています。その年、市長は自ら命を絶っています。彼は2019年に「私はフェミニスト」だと主張していました。(2020年末に証拠不十分で無嫌疑の結論を出し、捜査を終了している)

死を受けてソウル市は当時『ソウル特別市葬』を行うと発表したものの、内容が内容だけに大統領府に対して市葬を行うことに反対する署名が1日で30万人分集まるなどの騒動になっていました。