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先日韓国の高麗大学校の付属研究機関「Quantum Energy Research Centre (Q-Centre)」が発表したのは、従来は超低温状態じゃないと超伝導にはならないものの常温常圧で超伝導を発現する物質です。これに関して賛否様々な声が出ているのですが、その開発した韓国内ではどのような扱いになっているか紹介します。

Pb、Cu、P(リン)、O(酸素)という地球上に豊富に存在する物質から作られたのは鉛アパタイトをわずかに変更した六方晶構造からなる物質LK-99です。具体的にはラナルカイトという硫酸鉛をリン化銅(Cu3P)をモル比1:1の割合で粉砕して混合物を真空排気した石英管に密封した上で925℃まで加熱するだけけで常温超伝導体LK-99が作られるというものです。

仮に常温超伝導体が作られれば間違いなく科学の教科書に載るくらい大発見となり人類文明を大きく飛躍させる可能性を秘めているのですが、問題なのはこのLK-99が常温超伝導体といえるのかです。

このLK-99については追試が行われているのですが、状況については超伝導である可能性が示されたケースもあるのですがよく分かっていません。

これに関して韓国超伝導低温学会は「検証委員会はまだ結論を下していない」としながらも「常温超伝導体とは見にくいので科学的に検証したい」と説明しています。

この常温超低温とは見にくいというのは理論的分析結果であり実際の検証を行う必要があるとしています。そのためまずは検証委は「LK-99の試験片だけ提供されれば検証は長くかからない」として常温超伝導体と主張するサンプルの提供を求めています。

一方で科学誌サイエンスなどは発表された論文そものについて2023年7月27日に「論文の細部が不足して物理学者たちが懐疑感に包まれている」とも発表しています。

いずれにしても非常にありふれた方法で、かつ安価に簡単に作ることができるKL-99が常温超伝導体だと分かれば特に電力や半導体、核融合といった分野には多大な影響を与えることは間違いないためこれが本当に本物なのかは最終的な判断がされるのはまだ先になりそうです。