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情勢が不安定な中東。そのイスラエルでは絶えずロケットや迫撃砲が打ち込まれ戦闘を行っているというイメージがあるのですが、その国で自走砲などで使用する一般的な155mmサイズの榴弾を発注したと報じられています。

現在NATOを含め、西側で標準になっている榴弾砲といえば155mmサイズです。アメリカを含め日本やNATO各国も同じサイズの砲弾を使用しているのですが、イスラエルが保有する自走砲でもやはり同じ155mmサイズとなっています。

そのイスラエルは8月上旬、国防軍砲兵部隊向けとしてM107-A3砲弾の契約をエルビット社と交わしたといい、契約額は6000万ドル(約85億円)で予想では数万発分という規模になるとしています。

Israel orders tens of thousands of 155mm artillery shells from Elbit

▼155mm榴弾 (記事とは無関係の種類)
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榴弾砲とは放物線を描きなら遠距離から敵を攻撃する兵器です。その砲弾の直径が155mmあるものがこちらの砲弾です。近年この砲弾にGPS誘導を行うキットがあります。テロが発生する国では砲弾だけを起爆させる攻撃力の高い即席爆発としても使用されることがあります。
この数万発がどのくらいの規模になるのかについて、比較としては推定としてウクライナ軍は2023年7月時点で毎日数千発を発射しているとNATO事務総長が発言しています。したがってどのくらいの量になるのかは不明ですが、イスラエルが本格的に戦争でも始めた場合であっても数週間分になると考えられます。

この砲弾については引き渡しが2024年以降頃としており、予想では現在の備蓄分の砲弾と置き換えも相当数あるのではないかと考えられます。いずれにしても用途などは記載されておらず、イスラエルとしてはウクライナでの戦闘で榴弾砲の有効性は認知されているところであり確保しておきたいという側面も伺えます。

M107-A3

エルビット社によるとM107-A3砲弾は同社が製造している4つある155mm砲弾なかでも最も標準的な砲弾です。一般的なM107発射体に比べ改良が施されており発射する榴弾砲の砲身を傷めにくく射程も長くなっている説明しています。またあらゆる口径の砲身(つまり砲身の長さ)で運用でき、155mm砲を搭載するほぼすべての兵器から発射することができるとのことです。最大射程は砲身の長さに応じて22.5 ~ 27 kmとなっています。