米空軍によると、2023年7月25日にフロリダ州のエグリン試験訓練施設から離陸したXQ-58 ヴァルキリー が3時間の人工知能を試験する出撃を行いタスクをクリアできたと報告しています。

同機は実験用戦闘無人機として今後の運用を目指し技術習得などを行う機体で、最大の特徴としては武装できるステルス無人機としながら、滑走路を必要とせず離陸可能で、かつ飛行中や攻撃など人間が重要な命令を下す以外は自律飛行することができるというコンセプトの機体です。

▼自律飛行するXQ-58を追跡するF-15


現在クレイトス無人航空システム (KUAS) と米国空軍研究所 (AFRL) の共同プロジェクトとして開発しているもので、目的としては有人戦闘機を護衛しつつ共に飛行し、特に危険な地域に無人機を侵入させるという構想の元開発されているもので、要するに敵の防空網がまだ生きている危険な空域における航空戦力を確保したり、パイロット・機体ともに高価かつ取り返しがつかない人命を守ることにあります。

アメリカ空軍によると、「AIは将来の戦争において、そして作戦状況を理解し意思決定を下すスピードにとって重要な要素となるだろう」と司令官のスコット・ケイン准将は述べています。「AI、自律運用、および人間と機械のチーム化は、前例のないペースで進化し続けており政府、学術界、業界パートナーの連携した取り組みが必要だ」とも主張しています。



現在XQ-58は試験機として運用されいるもので将来この機体が量産されるのかは不明です。機体スペックとしては全長6.7m、飛行速度1050km/h、最高飛行高度13km、航続距離は3941kmあり、ウェポンベイには最大8発の小型爆弾(小型ドローン)などを運用可能としています。