韓国メディア、ニュースワンによると、事件があったのは2023年8月16日午後9時23分ごろ、韓国北西部に位置する仁川大橋付近で密入国を試みた中国人A氏(30代)の水上バイクが仁川港にある干潟付近から接岸したと連絡があり海上警察が対応にあたりました。

중국서 '제트스키 밀입국' 시도…인천항 다 와서 발견한 해경 논란 - 뉴스1
https://www.news1.kr/articles/?5145290




記事によると、中国人が乗った水上バイクは午後8時に中国の海域に入ったことがわかったとしており、韓国軍の監視網の一つである赤外線映像装置を用いて追跡を行っていたといいます。これはカメラで目視で発見するというよりも自動で探知する装置になっており、主に北朝鮮などからの侵入を防ぐ目的もあり設置されています。

中国人、みずから緊急通報

韓国軍は侵入を受けて海上警察に通報しました。そして午後10時28分に逮捕されたとのことです。ただ、冒頭に紹介した「連絡があった」というのは、実は密入国した中国人から連絡があったもので当時、午後9時33分に119番に緊急救助を要請していたといいます。そして本人から海をこえ単独で密入国したこと、協力者などはいないなどと説明を受けたとしています。

その後、本人の供述によると水上バイクに満タンの70リットルの燃料を入れ、さらに別途5本の25リットリ缶を載せて中国から出てきたと主張。水上バイクは130馬力あるもので最高速度は80～100kmに達することから推定されており少なくとも10時間ほど前に中国を出発したのではないかと見ています。

この中国人については過去のデータから何度か韓国に滞在したことがあること分かったとしています。ただなぜ密入国しようとしたのかなどの理由は記載はされていません。

問題の指摘

実は韓国では過去、ムンジェイン政権下の2020年頃に相次いでゴムボード等を使用した密入国された事件が発覚していました。







これは2020年4月と5月に相次いで発生したもので、5月に発生したものは黄海を挟んで西にある山東省から6人の中国人が韓国の泰安郡まで小型ボートを使い密入国した疑いがあります。この4月と5月の2つの事件については時を同じくゴムボートの底には接岸時に破れることを防止するためか金属が貼られているなど同じ加工が施されていたことが明らかになっており、組織的に行われていたことが伺えるものになっていました。

そして今回も再び侵入されたことで3年前の教訓がいかされていないと指摘があがっており海上警察は少なくとも軍に頼らず独自の装備が必要だという声がでていると報じられています。