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今年7月、無審査で論文が掲載できるサイトに投稿されたのはLK-99という物質。これに関して韓国の研究者は「超伝導体だ」と主張しているのですが、既に各方面から「超伝導体とは言えない」と研究がだされています。なぜ超伝導体といい続けるのでしょうか?

常温超伝導体が仮に実現できれば特に私達人類が使用する電気エネルギーからコンピュータチップなどに革新的な技術発展が見込まれす。その『常温超伝導体だ』などLK-99が発表されたのは2023年7月22日にarXivという無審査で論文が掲載されるサイトです。

しかし、このクォンタムエネルギー研究所の研究者およびその研究に参加したキム・ヒョンタク、ウィリアム&メリー大学研究教授らはLK-99が常温超伝導体だと主張し続けているといいます。

▼クォンタムエネルギー研究所。ここでLK-99が生まれたらしい
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成果が出るまで時間がかかる

キム教授は依然としてLK-99が常温・常圧条件で超伝導現象を具現したと主張しています。なぜ世界が否定しているにも関わらず主張を続けるのでしょうか。

その理由について、過去に1972年に超伝導現象を説明したBCS理論というものがあり、後にノーベル物理学賞を受けたことがあったといいます。このBCS理論も超伝導現象を説明するのが難しいらしく新しい理論が確立するには時間が必要だったというものです。

このキム教授は去年まで韓国電子通信研究院(ETRI)で超伝導現象を専門で研究し続けてきた人物です。彼も2005年に金属-絶縁体転移」(MIT)という理論を実験で示したものの当時は懐疑的だったといいます。しかしその後、2008年にMIT技術を使ってチップが実用化され国からも技術賞をもらうなど評価を受けていたといいます。

このように現在の常識や科学技術が十分追いつておらずLK-99がだたの絶縁体としてしか振る舞いをみせていないという理由のようです。

韓国の学会も否定

しかし今回はこれまでのケースのように超伝導体と認められるのかは未知数となっています。今月2日、韓国超伝導低温学会はソウル大物理天文学部教授を委員長としてLK-99の検証委員会を設置し、5日と11日に2度、論文と映像を元に検証結果を発表しました。

結果としてはLK-99は常温超伝導体とは言えないと断定しており、LK-99があたかも電気抵抗が小さくなる現象は超伝導体でなくても外でも観測できるものだと結論を下しました。

検証委とともにソウル大学、POSTECH(浦項工科大学)、など7つの研究グループがLK-99サンプルを製作しているものの、今月18日先行して行われた再現されたLK-99の製造サンプルについても超伝導現象は見られないと説明しています。

説明会も行わない研究者

そしてLK-99を作ったと主張は取材レベルで応じているものの今回の研究者は未だに説明会すら開いていません。韓国メディアは今月中にも説明会が開かれると発表されているものの、現時点でLK-99の論文が国際学術誌「APL Materials」に掲載されておらず、説明会も行われるのかは未知数だとしています。

参考