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福島第一原子力事故に伴い処理水を海洋放出を行ったことで中国では塩の買い占めが発生した件について中国国営メディアが「韓国のマネをするな」などと主張していたことが明らかになりました。(画像は参考資料)

韓国メディア朝鮮日報によると、中国国内で市民らの塩の買い占めが発生していることが国内外に報じられたことを受けて、中国政府およびその傘下にある中国国営メディアが「塩の買い占めをしていた韓国のマネをするな」「我々は韓国人よりも理性的だ」などと呼びかけ、事態の沈静化に乗り出していると報じています。

中国人と塩

具体的な記事内容は不明ですが、まず中国では何かの騒動が発生するたびに買い占めが度々発生しています。その典型的な商品が第一に塩です。次にロウソクなどが続きます。

この塩の買い占めについて最近であれば新型コロナウイルスでも発生しています。
これは2020年4月に発生したもので、中国ではSNS上に『新型コロナウイルスが原因でアメリカ人が多く死んでおり、遺体が太平洋に流れ出している。それで海水が汚染され塩を作ることができなくなる』などという意味不明な論理を構築して塩の集団買い占めが発生しました。



もちろんこれ以外にもあります。尖閣諸島問題が高まった2012年にも同じく塩を買い求める出来事が発生。これは「日中戦争が勃発する!」というもので、この時は塩の買い占めに合わせてお米も買い占めされました。

さらに2011年には東日本大震災で「原発事故で塩が放射能汚染される」「塩に添加されているヨウ素が被曝対策になる!」と噂が広まり大量に塩を買い求めたことが報告されています。この騒動で通常価格の6倍以上の値で1人で6.5トンもの塩を買った人間がいたと日本でも報じられていました。その後、騒動が収まった後に、店に返品を求めたもののこれを拒否するスーパーが相次いだことで当局が消費者からの苦情の電話が殺到するという被害もでています。

▼「値段が高くなる」という理由だけで買い占められた塩
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ちなみに2015年にもはやり塩の買い占めが発生しており、この時は「塩の価格が今後高騰する」などと根も葉もない噂話がSNSなどに独り歩きしたことで消費者が塩を買い溜めする行動にでています。

中国人とロウソク

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そして稀ながら発生するのはロウソクの買い占めです。ここ10年以内では少なくとも2例ほど発生しているのですが、たとえば2012年12月には「2012年12月21日から3日間、世界は暗闇に包まれる!」などと意味不明内容がSNSのトレンドとなりました。

これは当時『マヤの予言』を本気で信じていた中国人らが拡散したことで発生した騒動で、四川省成都市では「今月21日から3日間世界が暗闇に包まれる」という噂を聞き、信じた人が雑貨屋に押し寄せロウソクやマッチを買いあさったという話が実際にでています。この雑貨屋ではマッチやロウソクが数倍売れていると話しています。


また最近であれば2021年10月に各地で公表されていない謎の電力需給がひっ迫したことで停電が相次いだことで市民らがロウソクを買い求める騒動が発生しています。原因としては軍事・政治的な理由で制裁するためオーストラリアの石炭を輸入禁止したことが考えられているのですが、こちらは実際に停電が発生し闇に包まれる被害がでていたことも理由です。

結果、製造業者は数日で注文数が10倍になるなど相当な量が販売されておりオンラインショップのカスタマースタッフに今回のロウソクについて問い合わせを行った内容では「実際に注文が急増している」という話もでています。


このように毎回塩やロウソクが買い占めれる理由については、これまでの混乱があれば塩がという固定観念が根付いているためであり今回も「海が汚染される=塩」ということ構図で買い占めが発生したものと考えられます。