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ロシアが突如としてウクライナに侵攻してから1年半。ロシアが想定していた当初の首都を一気に陥落させる電撃作戦は失敗し現在はウクライナ南東部地域での戦闘を続けているのですが、これに関してロシアは戦車だけで4000両を失った可能性があると報じられています。

実際のところロシアがどのくらい戦車を失ったのか推定は難しいのですが、現在最も一般的なこの戦争の情報源となっているオランダの国防分析 Web サイト Oryx (Oryxspioenkop) によると、2022年2月に侵攻が始まってから2023年7月までに2200両の戦車が失われたと推定を発表しました。

しかしこの情報については視覚的に確認された損失のみ推定に含まれているだけであり、実際は遥かに多いのではないかとしています。

いくつかの情報源としてイギリス・ロンドンに拠点を置くシンクタンクによると今年2月の時点で少なくとも2,000両のロシア軍戦車が失われたと主張。一方でウクライナ参謀本部は、ロシアは戦車4,000両以上を失った可能性があると主張しています。

ウクライナの数値については実際は過大に申告されている可能性があるのですが、現場の部隊から上がってくる撃破数も入っており重複があるとは言え既に数千両の戦車をロシアが失ったことは間違いないと考えられます。

現在ロシアが運用している戦車はT-72といったものよりも遥かに古い旧ソ連時代に運用していたT-62、そして第二次世界大戦後に運用が始まったT-54/55も含まれているとしています。一方でロシアが現在運用しているT-80といった新しい戦車については既に2/3を失っているとされ、T-72についても近代化されたものは既に半数を失った可能性が高いとしています。

▼T-55
T-55-54

ロシアの戦車については特に現代モデルであればそのセンサーといった電子パーツは多くが西側のパーツが使われており輸出が停止されているため新しく車両そのものは作れてもカメラなどのセンサー類が全く作れないという問題を抱えています。そのため、電子パーツがほとんど入っていないようなT-54/55、T-62といった戦車が利用されている側面も伺えます。

何れにしてもロシアが出せる戦車は第二次世界大戦後から冷静初期頃のものが主流となりつつありその砲弾についても国内や北朝鮮といったものになっています。このような旧式の戦車も再整備することで実戦投入できたとしても新たに生産することは不可能であり、ロシアが出せる戦車はどこかに問題がある戦車だったり射撃精度でも西側に大きく劣る戦車が主流になってくることが予想されます。

しかしこのような旧式戦車であっても撃破するには対戦車ミサイルが必要不可欠であり、西側の支援が途絶えれば形勢が逆転することも容易に想像できます。



参考