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中国伝統の漢服、そして日本伝統の和服。似ているようで全く似ていないのですが、漢服を着て写真撮影していた中国人が「和服でここに来るな!」などと言われ騒動になる出来事があったと報じられています。

中国で開発されたスマホゲーに度々登場するのは『漢服』を着たキャラクターです。日本人からすると和服と比べ描かれている柄、色使い、全体の形が明らかに異なり見た目で容易に区別できるのですが、残念ながらそのような文化に全く触れてこなかった多くの中国人は区別がつかないようです。

Record Chinaによると騒動があったのは今月、湖北省武漢市にある盤龍城国家考古学遺跡公園で中国人の若者が中国伝統の漢服を着て写真撮影をしていたところ、施設の職員がやってきて「日本の服装でここへ来てはいけない」などと意味不明なことを言われ3度も追い返されそうになったとしています。



これは動画にもなっており、女性は「これは和服ではなく漢服だ」「中国人が自分の国の服を知らないの?」「これは日本人の服じゃないわ」と反論したところ、「専門家を探してきて見てもらう」と言われ、また別の職員がきて漢服を和服と判断され口論となったという内容が記載されています。ちなみにこの時は服装だけではなくヘアスタイルも漢服スタイルになっていました。

動画は中国国内でも話題になっており、SNSではトレンド入りするくらいの反響があったといいます。もちろんSNSを駆使する若者らは漢服と和服を正しく判断できており「職員はなんて無知なんだ」「最も悲しむべきは自国の服を自国人が認識していないということだ」というコメントも寄せられていたといいます。

10年前にも同様の騒動

もちろん中国人が漢服なのか和服なのか認知できない同様の事例これだけではなく10年以上前から度々発生しています。

2009年に中国で漢服を広めようと活動していた若者グループが写真撮影をしていたのですが彼らが写真を投稿していたブログには中国人から「和服か!でていけ!」などとコメントが相次いだという事例です。これはRecord Chinaでも取り上げられていた内容です。

また彼らは漢服で活動中に「日本人か!朝鮮人か?」と中国人に聞かれることがあったといい、北京五輪に漢服で観戦していたところ現地のスタッフから日本人と勘違いされたのか何故か英語で話しかけられたこともあったと報じられていました。

このように中国人の大半少なくとも中高齢者は漢服と和服の違いを認知できず区別・判断できません。そのような年齢層を含む中国政府の指導部が治安管理処罰法を改正し「中華民族の感情を傷つける服装の禁止」するという謎の法律を制定しようとしているのが現在の中国であり、ここからも単純に『感情』だけで規制しようというところが見て取れます。

この法律が施行された場合は中国で漢服を着ていた人が拘束される可能性が非常に高いことを意味します。