アメリカ国防総省傘下の米国国防高等研究計画局が計画しているのは見出しでも紹介したロングショットというものです。これは『有人の戦闘機』『その戦闘機にくっついた状態で離陸する無人機』『無人機から発射できる対空ミサイル』で成り立っています。

LongShot Air-To-Air Combat Drone Bid Won By General Atomics
https://www.thedrive.com/the-war-zone/longshot-air-to-air-combat-drone-bid-won-by-general-atomics

これまで無人機の多くは地上からの発進に依存していました。しかしこのロングショットは戦闘機や爆撃機といった比較的大型の兵器を運用できる航空機にミサイルのようにくっつく形で離陸します。そして上空で切り離し展開することで無人機と敵機の空中戦を行わせるという案です。

運用する機体については「この構想は、現行の第4世代戦闘機(つまりF-15といった非ステルス機)と空対空ミサイルの交戦距離と任務効率を大幅に向上させることを目指している」としています。

運用としては敵のミサイルの射程外の安全な空域に有人機を待機。ロングショットを空中展開しロングショット無人機を敵と戦わせることで貴重なパイロットや機体を破壊、こちらは消耗を抑え戦況を有利に進めるというものになっていると考えられます。

ロングショット計画

このロングショット計画については2021年にゼネラル・アトミックス、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンの3社と第一段の契約を行いました。そして最終的な試作機設計を行うためゼネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社（GA-ASI）を選定したという流れになります。


今後の計画についてはゼネラル・アトミックスによると2023年12月にロングショット無人機の初飛行を行うとしており、すでに機体はある程度製造されていると考えられ10月、11月頃には試験機の地上試験が行われると考えられます。

アメリカ国防省によると「ロングショット計画は、すでに開発されている空対空ミサイルを使用して、敵目標を攻撃できる空中発射型無人航空機（UAV）の開発と飛行実証を行っている」としています。またことし3月に発表された年度予算案では「ロングショットは、既存の戦闘機の外部または既存の爆撃機の内部に配備される予定です」としています。つまりサイズとしては大型の巡航ミサイルサイズになると考えられます。