チャンドラヤーン3

先日月面に到着した4番目の国となったインド。しかし現在は活動しておらず今後も復活できない可能性が高いと報じられています。一体何がったのでしょうか。

先月23日、チャンドラヤーン3号宇宙船のヴィクラム着陸船を見事月面の南極エリアに投入することに成功したインド。このエリアに着陸する初の試みとしても初成功となったのですが、すでに探査車および着陸船が破損した可能性が高いと宇宙関連メディアが伝えています。

India's Lunar Rover Has Gone to Sleep, And It May Never Wake Up : ScienceAlert

その理由は夜です。地球から見てもわかるように月面にも夜はあります。こうなると問題になるのはソーラーパネルで熱を作ることができず極めて低温になることです。

例えばNASAなどの探査機が非常に高価である理由の一つとして熱対策があり、例えば月探査車などであれば原子力電池などを搭載しその熱源を利用して内部の重要な装置を温めるという方法が取られます。しかし今回のインドの探査機であればミッション全体のコストが7500万ドル、約100億円規模しかなく原子力電池などの装置は見送られ、電子装置の熱による保護までは完全には作られていないとのこと。

現時点でヴィクラム着陸船はバッテリーが充電さ受信機もONの状態らしいのですが、夜が開ける9月22日まで持つのかはなんとも言えないとています。

必要な情報はすでに送信済み

もちろんインドとしては夜に入るまでに必要な科学調査は実施しており、どこまで計画が進んだのかは不明ですが一部の調査内容は公開されています。

例えば着陸した南極エリアではじめて硫黄が検出されたことです。
他には着陸船付近の重要な温度について地表と地下で激しい温度差があることもわかりました。これは地表付近の表面温度は50度あったものの、わずかその数ミリ下はマイナス10度と60度の差がありました。月面の土壌には断熱機能として働き、熱をほとんど伝達させないことがわかったとしています。

具体的な内容については以上ですが送信されたデータについては現在も分析中であり、注目されている月の南極の詳細なデータは論文という形で世界と共有されていくものと考えられます。