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アメリカ海軍空母部隊への配備に向けて開発が進められているのは艦上無人給油機MQ-25。カタパルトで射出される無人機となるのですが、最近、運用前の各種試験を行う機体が撮影されました。

撮影された機体はいわゆる試験機となっておりMQ-25を量産する前に機体構造を徹底的に調べ上げ、構造的に弱い部分などを調査するために使用されます。

現在アメリカのボーイング社はMQ-25の試作機を合計9機生産しており、撮影されたのは試作1号機です。1号機については飛行することはない地上試験で利用される機体だと説明されており、全な飛行試験を開始する前の耐空性に対する重要な安全性試験と長期耐久性の試験に用いられるとしています。

なぜここまで慎重なのかについては理由があり、MQ-25は地上の滑走路ではなく空母の飛行甲板で利用される点です。空母艦載機はカタパルトによる急激な加速、着艦は空母に突っ込むような形で強い衝撃が加わります。これにより激しい金属疲労が予想され、さらに翼を折りたたむ構造になっているため設計は極めて難しいものになっています。

複雑な構造となる試験機は地上では数十センチの高さから落下させ着艦に近い衝撃を加えるなどして機体の亀裂の有無を調べるということが有人機でも行われてます。



MQ-25については運用の可能性を示すような初期の試作機については飛行しており、無人による空中給油は行われています。そのため一連の試験は行うものの海軍に配備される量産モデルの試験機が今回撮影されたものになり、ここでも量産体制に問題はないか、製造上問題がないか、量産モデルの機体にも問題はないか改めて最終確認が行われるということになります。

MQ-25は初期運用能力はこれまで2025年までに完成すると予想されていたが、建設の遅れにより今年4月に2026年に延期されています。