イギリス原潜、ヴァンガード級原潜、汚れ2

もちろん廃艦前の潜水艦ではありません。これは2023年に実際に帰港したときに撮影された現役のヴァンガード級原子力潜水艦ですが、なぜここ汚れてしまったのかその謎について紹介していきます。

この写真は2023年9月11日にスコットランド西岸位置するファスレーンという地域に帰港したヴァンガード級原潜を撮影したものになります。

現在イギリス海軍はヴァンガード級原潜を4隻配備しており、イギリスの核戦力を担うため1回出港したあと軍港に戻るのは数カ月後です。このファスレーンという地域にあるクライド海軍基地はこの原潜の母港になっているらしく、1998年以降核抑止力を維持するため常に任務が続けられているといいます。

イギリス原潜、ヴァンガード級原潜、汚れ

今回撮影された写真に注目していくと船体が酷く茶色く汚れよく見ると周囲に貼られた吸音材タイルも脱落している箇所が見えます。この吸音タイルは内部の音を外に漏らさない以外も敵のアクティビティソナー(映画などではピーンという音)から自艦の位置を特定されないために取り付けられていものになります。

▼任務を終え帰港した別のヴァンガード級原潜
イギリス原潜、ヴァンガード級原潜

気になるのはなぜここまで大量の汚れが付着したのかです。実は過去に任務を終えて帰港するヴァンガード級原潜は撮影されているのですが、上の画像を見てもここまでひどい汚れはついていませんでした。

原因は帰港までの長さ

その上でこの2つにどのような差があるのかについては単純に出港から帰港までの長さにあると指摘されています。実はヴァンガード級原潜をはじめ一般的な原潜は一回の任務の長さは3ヶ月程度とされています。

しかし今回は倍の6ヶ月もの任務をしていた理由はわかっていません。水中で活動していたというより海面に出て活動していたのではないかという指摘もでています。そのため太陽光などで藻といったものが大量にゴミとして溜まり今回のような汚れとして見えた可能性があるというものです。

この6ヶ月の任務については、耐久テストが行われた可能性、なんらかのトラブルでこのような結果になった可能性もあると指摘されています。

ちなみに3ヶ月という任務期間については乗員の精神的な問題もあるといい、船体の汚れ問題についてもイギリス海軍は研究を続けているものの根本的な解決はできていないとしています。

参考