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人工知能やセンサー類が高度化した現在、その制御は人ではなくコンピュータが行うことが多いのですがアメリカ海軍について人工知能を搭載した協調戦闘機(CCA)などを空母以外から発進させる構想が進んでいると報じられています。

空母とえば誕生から最近まで飛び立つのはいずれも有人機でした。しかし近年ではアメリカが無人機をカタパルトからの射出に成功させたり、それ以外の国では無人機も運用できる空母というのも誕生しつつあるとしています。

空母はは高度な人工知能を備えた自律飛行可能な無人機を運用するという流れが今後も加速することは街がないないのですが、世界最先端の軍事力を持つアメリカはどうしようとしているのか。

Navy Looking To Operate Air Combat Drones From Wide Range Of Ships
https://www.thedrive.com/the-war-zone/navy-looking-to-operate-air-combat-drones-from-wide-range-of-ships

空母以外から航空機を飛ばす

アメリカ海軍については空母で運用する機体は現在ほぼ有人機となっているのですが、今後10年で最大で6割を無人機とする方針を示しています。これが20%になるのか40%になるのかは実際に運用し戦力を維持できるかという問題を見てからということになります。

そして注目なのは見出しでも紹介しているようい空母以外の艦艇、つまりイージス艦といったヘリコプターを運用できるような艦艇からも無人機を運用できるよう進めていくという計画が明らかになりつつあるとしています。

2023年9月26日、海軍航空戦センター航空機部門と海軍研究局(ONR)が情報要請書(RFI)として「攻撃可能な無人航空機のための一般的な航空機の発射および回収技術を求めた情報源」という意味合いの内容を発表しました。

それによると、「グールプ3~5(機体サイズを示す言葉)の固定翼・低コスト・再使用可能で分解可能な空母以外の船舶から運用されることが期待されるドローンに適した共通航空機発射回収装置(ALRE)に関する情報を求めている」という文言があったといいます。

つまり駆逐艦などから垂直離陸、もしくは補助ロケットで発艦し、直接着陸するかネットなどで改修するドローンを運用できる将来像を描いている可能性があります。

機体サイズについてはグループ3というのは 55 ~ 1,320 ポンドのドローンが含まれているといい、RQ-7がこれに匹敵するとしています。グループ5となるとアメリカ軍で運用している大型のRQ-グローバルホークが匹敵します。

何れにしても小型のドローンではなく、比較的中型から大型ドローンを発射・回収できる構想をしていることがここからも分かります。一方でクワッドコプターのようなドローンは排除しているといい、機体は固定翼、つまり一般的な翼をもち長距離を移動できる機体がよいとしています。

大量の低コスト航空機を配備

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▲離陸は補助ロケット、着陸はパラシュートで落下する人工知能搭載 戦闘ドローンXQ-58 バルキリー

アメリカ軍は現在有人機と共に飛行し戦闘する戦闘ドローンXQ-58 バルキリー、海軍ではカタパルトから射出可能な無人給油機が試作され試験されています。ここから見ても将来大量の無人機を配備するという流れは既に始まっています。

そこでよくいわれるのが安価で大量の無人機を配備するというものです。
「壊れてもよい」「撃墜されてもよい」という有人機とは真逆の発想となっており、近年より高価になる有人機を大量配備するというよりも、高度に制御された安価な無人機を配備したほうが良いというのは21世紀の時代の流れを象徴しているとも言えます。そしてこのような無人機が配備されるようになると現在の艦艇の形もまた変わっていくということになります。