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ウクライナからのミサイル・ドローン攻撃に晒されるロシアの空軍基地。最近その基地を撮影した衛星写真から、地上にTu-95を描き空からの攻撃を分散させるダミーを付くていると報じられています。

The Driveによると民間衛星写真を販売しているプラネットラボが2023年9月29日に撮影したロシアの戦略爆撃機の航空基地となるエンゲルス空軍基地です。この基地はウクライナのキエフから直線距離で680kmほど離れた距離にあるのですが、長距離兵器が到達し始めており高価な兵器をまもるためロシア側は対応に迫られています。

こちらが先月末に撮影されたTu-95です。
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写真では左が実機、中央と右が基地にペイントされたダミーのTu-95です。面白いことに左のTu-95はウクライナの巡航ミサイル避けに航空機の上にタイヤが置かれているのですが、ペイントされた中央のダミーにもタイヤのような置物が置かれていることが確認できます。

▼ウクライナからの攻撃があった基地
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エンゲルス空軍基地には既にウクライナからの巡航ミサイル攻撃に晒されておりロシアとしてはこのような対応に迫られているということになります。「他の基地に移せばいいのではないか」と思ってしまうのですが、爆撃機を運用するには様々な関連する機器も一緒に移す必要があるほか滑走路が長くなくてはならず、戦地から距離が離れるということはロシアとしては対ウクライナ戦力に影響がでるということになります。

地上にダミーを描くことについてどれだけ効果があるのかは不明です。特に気になるのは士気で、現地のロシア兵らがウクライナの攻撃をかわすためタイヤを置いたりペイントしなければならないということをどう思っているのか。これは士気の低下を招く恐れもあります。

何れにしても商業衛星レベルで見つかってしまっているため、守る効果は限定的と考えられます。

ちなみにチェコの玩具メーカーはウクライナ向けに戦車ダミーを生産しています。