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人間の血液を好んで吸血し、気が狂うほどかゆみ生じる事があるというトコジラミ。これに関してフランスの首都パリでは公共交通機関や映画館などいたるところにトコジラミが蔓延し国が対策に乗り出す方針を明らかにしました。

トコジラミ、別名ナンキンムシと呼ばえる吸血虫は日中は物陰に隠れ夜になると活動を開始し周辺にいる人や動物に襲いかかります。非常に強いかゆみが生じ一度家庭内で繁殖した場合は駆除が難しいほか、ホテルや旅館などではその部屋や施設そのものが使用不能になるレベルの被害がでます。

そんな最悪の虫が蔓延しているのはパリです。このパリでは10世帯の1世帯程度の割合でトコジラミが繁殖しているといい、それどころかパリの公共交通機関や空港など不特定多数の人が利用するところでも目撃されるようになりトコジラミが国内で媒介されていると指摘されています。

フランスは来年オリンピックが開催されこともあり現在政府は交通担当大臣が公共交通機関の担当者を招集し、トコジラミ対策を行うよう呼びかけを行っています。

近年増え始めたトコジラミ

フランスではトコジラミは1950年代頃にほぼ姿を消していたもののそれ以降徐々に広がりはじめて特に2000年以降に急速に被害が拡大し始めました。

実は日本でも同様です。トコジラミは日本では第二次世界大戦以降では不衛生な地域や古い木造住宅、不特定多数の人が利用する安いホテルや留置場では当たり前のようにいたとされていますが、1960年代に有機リン系殺虫剤、DDTなどが登場したことや生活環境が改善したことで1975年頃にはほぼ姿を消したとされています。

しかし近年、特に海外の観光客が増加したことで観光地や宿泊施設を中心にトコジラミ被害が拡大していることが既に確認されています。そして殺虫剤に耐性をもつ個体が確認されており通常の殺虫剤が効きにくいという問題があります。

このようなトコジラミが国内で流行した場合、特に衣服やダンボールといった荷物についてくる可能性があります。そのため例えば旅館やホテルに宿泊した際は衣服は床置きせずハンガーにかけること、帰宅したら直ぐすべての衣服を洗濯荷物などもカバンなどは外に置いておくことが推奨されています。

またダンボールなどはトコジラミが隠れていることがあるため梱包材は家屋内に放置せず直ぐに開封し外に捨てることが求められます。もちろん家屋内でトコジラミが繁殖した場合は地獄のような生活を強いられる可能性があり、駆除についても業者を呼ぶ必要があるため金銭的な被害もでてきます。