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砲弾といえば爆発物を包んだ金属の塊というだけのイメージですが、現代は翼を持っていたりGPSを搭載していたり、場合によっては複数の子弾を搭載しているなど多種多様なものが開発されてます。今回紹介するのはその砲弾をラムジェット推進で長距離飛行するという新型砲弾です。

発射時に数千G~数万Gほどかかるとされている砲弾。詳しくはしらないのですが、そのような瞬間的に強烈なGにも耐える構造は非常に設計が難しいのですが、ボーイングとノルウェーのナモン社が強力して開発しているのはタイトルにもなっている155mmラムジェット推進砲弾です。

This Is A Ramjet Artillery Shell Right As It's Fired Out Of A Howitzer

文字通り発射した後、高速飛行していることが条件となるラムジェットを稼働させ、燃料を消費しつつ敵を長距離から攻撃するというミサイルのような実弾です。現在アメリカ陸軍では拡張射程砲兵弾薬スイート(ERAMS)で長距離から敵を攻撃できる砲弾を開発しており、その一環として研究されています。


通常、155mm砲弾の場合その射程は20~30km程度ですが、ベース・ブリード弾(噴進弾)などのロケット推進砲弾を用いれば射程は40kmを超える場合もあります。それ以外にもいくつかあるのですが、このラムジェットエンジンを搭載した155mm砲弾、155MM HE-ExRなどと呼ばれる砲弾を用いればその射程は軽く100kmは超えてくるとされます。予想では150kmとされているのですが詳細は非公開です。

このラムジェット砲弾については2022年にボーイングとナンモ社がノルウェー国内で試験しており既に相当開発が進んでいます。

▼155MM HE-ExRの試験、途中から燃焼ガスが見える
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精密誘導装置も搭載

このラムジェット砲弾についてはただ長距離を飛行し落下するのではなく、精密誘導砲弾となっています。具体的にはJDAMと呼ばれる精密誘導爆弾と同じミッションコンピュータコンポーネントを搭載しており、特に固定した目標、例えば基地や拠点といったところに対して数メートルの命中精度を誇ります。

レールガンやめたアメリカ、次の砲弾は…

そんなアメリカ軍ではこのような155mm砲弾をベースとした次世代砲弾の研究を進めています。特に人口が密集し重要な拠点があるのは海岸線からほど近い事が多く、100~200kmほど射程があれば大半がその射程に入ってくるため非ミサイルの砲弾の研究も多くされています。

デメリットとしては高射程の砲弾特にGPSなどを搭載した砲弾は1発あたりのコストが通常の155mm砲弾に比べて桁違いに高いため配備数も少なくさらに導入コストも高くなるという欠点があり、今後も戦場での主役として居続けるのは通常の155mm砲弾ということになります。