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ウクライナ侵攻で兵器・砲弾不足が深刻とされるロシア。一方で北朝鮮との関係強化も図っていることが露骨になっているのですが、アメリカメディアによると、ロシアはここ数週間、北朝鮮産の武器・弾薬、約1000個分を輸入していたことがわかったとしています。

これはホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官が明らかにしたもので、その輸送経路の一つとして船がるといい、北朝鮮のコンテナがロシアの輸送船で運搬される衛星写真を公開しており、少なくとも9月7日と10月1日に北朝鮮の羅津を出港しロシアに向かったことが各員されています。

コンテナ1000個という規模についてはいくつか説はあると考えられるのですが、アメリカとしては「北朝鮮がロシアにウクライナで使用する武器を提供したとの情報を入手した」と主張しており、今後もロシアと北朝鮮の武器取引は引き続き明らかにしていくとしています。

常任理事国が国連決議を無視しして輸入

問題はいくつかあるのですが、その一つは『国連』という機能していない組織の問題です。そもそも北朝鮮については2006年以降、2017年までに11本の制裁決議が採択され国連加盟国であれば従う必要があります。

北朝鮮からの輸出入が禁止されている項目は以下のとおりです。
北朝鮮からの輸入等の禁止:
全ての武器、特定の天然資源(石炭、鉄、鉄鉱石、銅、ニッケル、銀、亜鉛、鉛、鉛鉱石を含む)、海産物(漁業権を含む)、繊維製品、農産物、機械類、電気機器、土石類、木材、船舶等

北朝鮮への輸出等の禁止:
全ての武器、奢侈品、航空燃料、新品のヘリコプター及び船舶、原油(上限:年間400万バレル又は52.5万トン)、石油精製品(上限:年間50万バレル)、機械類、電気機器、輸送機器、鉄鋼、卑金属等
このように北朝鮮に関しては輸出入ですべての武器の取引は制裁の対象になっており禁止されています。しかし既にウクライナの戦場で北朝鮮産の武器弾薬が見つかっているように国連加盟国であり常任理事国のロシアが自ら北朝鮮から武器を輸入しているという制裁を無視した取引を行っているということになります。