その見た目はホクロですがホクロとは明らかに異なる皮膚がん、悪性黒色腫。フランスのニース大学病院が行った研究では、2020年に世界で黒色腫による死亡者は5万7,000人だったものの、非黒色腫皮膚がん(NMSC)の割合はさらに多く6万3,700人が命を落としていることが明らかになったとしています。

Skin cancer: more people die from types that aren't melanoma – surprise new finding
https://theconversation.com/skin-cancer-more-people-die-from-types-that-arent-melanoma-surprise-new-finding-215378

メラノーマといえば非常に危険なガンだという認識があるのですがそれと同等レベルに注意しなければならないと研究者は主張しています。まずこのNMSCという皮膚がんについては他の種類の癌に比べて重篤度が低いと考えられているといいます。これは致死的になることはほとんどなく、全国癌登録の癌全体数に関する報告からも除外されることがよくある扱いだとしています。

しかし、まれに致死的であるということが決して致死的ではないということと同じではなく新しい報告書が示しているように、多くの人がこの種の癌を発症した場合は結果的に多くの人が死亡することになるとしています。

NMSCの発生については、基底細胞癌 (BCC) と扁平上皮癌 (SCC) の2つの主なタイプがあり、どちらもケラチノサイトと呼ばれる一種の皮膚細胞から生じるととのこと。原因については太陽光または日焼けベッドからの紫外線 (UV) の曝露に関係しています。

NMSCについては悪性黒色腫(メラノーマ)と同じように早期に診断し治療できるほど良好な結果が得られる可能性が高くなります。しかし世界中で毎年何人の人が黒色腫に罹患するかについてはかなりよくわかっているものの、NMSCについては明確では無いといいます。
現在の公式統計では年間120万件と報告されているのですが、(黒色腫の場合は年間32万件と比較) はかなり過小評価である可能性が高いことはわかっています。これは、NMSC 症例に関するデータの収集方法と報告方法が国によって異なるためだとしています。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。