
工業的に重要な水溶液である一方で人体には極めて強い毒性があるフッ酸(フッ化水素酸)。今年6月にそのフッ酸を水と間違えて飲んでしまうという事故が会社内で発生していた件について、3名が書類送検されたと報じられています。
事故は2023年6月28日、午後4時頃、京畿道東豆川市のある中堅企業で、30代の女性社員が紙コップに入った有毒物質フッ酸を飲んでしまい脳死に陥ったというものです。先日、捜査を終えた警察は業務上過失傷害の容疑で職場の同僚A氏、工場長B氏、安全管理者C氏など3人を16日に書類送検すると明らかにしました。
警察の捜査によるとこの事故について、監視カメラ映像や会社関係者らの聞き取りも行った結果、意図的に傷つけようとした可能性は無いと判断しているとのことです。しかし、管理上『有毒物質』を表示したり一定の容器に入れなかった点など安全管理義務を怠ったことは明らかで、警察は業務上過失致死傷の容疑を適用することになりました。
警察の捜査によるとこの事故について、監視カメラ映像や会社関係者らの聞き取りも行った結果、意図的に傷つけようとした可能性は無いと判断しているとのことです。しかし、管理上『有毒物質』を表示したり一定の容器に入れなかった点など安全管理義務を怠ったことは明らかで、警察は業務上過失致死傷の容疑を適用することになりました。
この事故は今回被害者のDさんは検査室で光学レンズ関連物質を検査していたといい、その時に机の上に置かれた紙コップを発見。これを水だと思い込んで疑うことなく飲んだといいます。しかし、紙コップに入ったのは職場の同僚A氏が検査のために注いでおいたフッ化水素酸で洗浄剤として使用していたものでした。
なぜDさんが誰が置いた分からない得体のしれないコップを手にしたのかは不明ですが、Dさん病院に運ばれた時点で既に心肺停止の状態で体内にある有毒な溶液を抜くために人工心肺装置をつけて透析治療を受けたとしています。
Dさんについては脈拍と呼吸は正常に戻ったものの事件発生から110日が過ぎた現在、脳死状態となり意識は戻っていません。
以下はフッ化水素酸の特性をまとめたものです。
なぜDさんが誰が置いた分からない得体のしれないコップを手にしたのかは不明ですが、Dさん病院に運ばれた時点で既に心肺停止の状態で体内にある有毒な溶液を抜くために人工心肺装置をつけて透析治療を受けたとしています。
Dさんについては脈拍と呼吸は正常に戻ったものの事件発生から110日が過ぎた現在、脳死状態となり意識は戻っていません。
フッ化水素酸
フッ化水素酸は主に工業で多く利用されており、例えば半導体製造時のシリコン酸化膜の洗浄工程に必要不可欠な材料となっています。一方で、非常に危険な化学物質であり人体には極めて有害となっています。以下はフッ化水素酸の特性をまとめたものです。
- 強酸性: フッ化水素は強酸性を持ち、皮膚や粘膜に接触すると即座に激しい灼傷を引き起こす可能性があります。
- 吸入毒性: フッ化水素の蒸気やガスを吸入すると、呼吸器系に重大なダメージを与える可能性があります。短時間の暴露でも重症化することがあります。
- 眼や皮膚への影響: フッ化水素が目に入った場合、失明の原因となることがあります。また、皮膚に付着した場合も灼傷を引き起こす可能性があります。
- 毒性: フッ化水素は生体に対して高い毒性を持ち、消化器系や中枢神経系に対して影響を及ぼす可能性があります。摂取すると中毒症状が現れることがあります。
- 腐食性: フッ化水素は多くの材料に対して腐食性を持っており、容器や設備の損傷を引き起こす可能性があります。